「ハッピーアイスクリーム?」リズと青い鳥 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ハッピーアイスクリーム?
「ハッピーアイスクリーム」って、まだ存在してたんだ!という驚きがあった。原作者の武田綾乃は90年代生まれだから知らないはずだし、脚本の吉田玲子の世代だったんだな。死語になってたかと思ってたこの言葉が伏線として生かされていたことにも感動した(また流行るのかな?)。『響け!ユーフォニアム』は気になってはいるけど未見。そのスピンオフ作品らしいのだが、初見でも満足できる内容でした。
鎧塚みぞれという高3少女。オーボエという吹奏楽部の中でも目立たない楽器ではありますが、この作品では存在感ありすぎ。孤独で物静かなキャラなみぞれ。どことなくエヴァの綾波レイとか、涼宮ハルヒの長門有希のような雰囲気(想像してしまうと希美がアスカやハルヒに見えてくるので注意)。劇中童話のリズに自分を照らし合わせるようになり、希美をイメージした青い鳥とは対照的な孤高の女子高生。2人の関係はガールズラブの一歩手前でもあり、直接的ではないため、愛を伝えられないもどかしさを感じてしまう。
挿入される童話の世界は水彩画タッチで描かれ、ストーリーの中に溶け込んでしまい、希美目線で始まっているのにいつの間にかみぞれ目線で追ってしまう。好きだから青い鳥を解放するんだという真意がつかみ切れてないみぞれ。先生からも教えられ、音大パンフを渡されなかった希美の気持ちも伝えられ、ようやく自分の立ち位置が理解できるようになっていく。そして終盤には2人のリズと青い鳥の関係は逆だった!と・・・。
それにしてもフルートとオーボエの掛け合いは絶対的にフルート優位だと想像していたのに、これほどまでにオーボエが際立っているとは・・・。みぞれがそこまで上手いという表現なんだろうけど、音楽の作り方も上手かったのですね?と、疑問形にしてみた。
まぁ、オーボエとフルートでは音楽に思いいれる違いがありますからね。
そもそも、オーボエって一般の高校の吹奏楽部には無いと思いました。
クラリネットで代用すると思います。
多分です。
でも、やはり女性の脚本家の良い例のアニメだと思います。