「【The・陽気なアメリカ映画】」ベイビー・ドライバー 芥さんの映画レビュー(感想・評価)
【The・陽気なアメリカ映画】
ドライブアクション系と何処かで拝見し、そのようなジャンルにはそそられない僕からすると、少し退屈に感じるかな?と思っていたのも束の間。セットの合図無しでいきなり豪速球のミュージック&ドライブアクション!!!
爽快な音楽に乗せられ、豪快なアクションを楽しめる。そんな素晴らしい映画に出会えて満足致しました。
個人的に変わり者の主人公というか、今作の主人公の様に最大限の能力を引き出す上での制約(音楽を聴く等)があるキャラクターは大好物ですので、主人公の異様なキャラクター性に惚れ惚れしてしまいました。
その上少し古い音楽。これが最高に魅力を引き出している大事な鍵だと思いました。
ストーリー面で言っても、ドライブアクション、ラブストーリー、家族愛、悪組織の悪行。全てがギュッと詰まっているのに、どれも無下にしていないような、綺麗に纏まっている印象を持ちました。
陽気なスタートとは裏腹に、主人公の悲惨な過去、悪に取り巻かれる主人公の不憫さがあり、派手にスタートを飾ってしまうと、シリアスに持っていった時に鑑賞者が「思ってたんと違う」と感じてしまいそうな所を、スムーズに流す事により、違和感を取り除けていたと思います。
一つだけ疑問に感じたところを申し上げさせて頂きますと、ラストシーンでボスが主人公とヒロイン助けるシーン。「女と逃避行だぜ」ってだけの理由で命を投げ捨てても助けてやる。という急カーブな意思変更。ちょっとだけ違和感を持ちましたね。元々ボスにとっては過去の負債を取り返すだけに使っていた手駒に過ぎない主人公を、あんなすんなり命を捨てて助けるかな?という感じですね笑
ストーリーの構成上、そうしないとカタルシスが生まれないのかも知れませんが…。
ですが、2時間少々ずっと楽しめた作品です!
ラストシーンも綺麗にビタっとハマり、アクション映画をなんとなく拒絶していた僕でも、これからアクション映画を沢山観たいと思わせてくれる最高の1作でした。
これを見た人達は皆優先のイヤホンを付けることでしょう笑