「連想したのはハリウッド版、尾崎豊の世界。」ベイビー・ドライバー N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)
連想したのはハリウッド版、尾崎豊の世界。
のっけから富士重工。
主人公が次々、乗り継ぐ車のチョイスがいい。
それほど詳しくはないけれど、ありきたりな一般車両でないことは何となくわかる。
そんなイカした走れる車両をかっ飛ばして、最高の音楽に身をゆだねながら
途切れることなくカマす、超絶ドライブテクニック。
唸るエンジンとギアボックスのガツガツ。
一般道もサーキットへあっという間に、様変わり。
この爽快感に悪事を加えたなら、アドレナリンは出るしかない。
同時に「盗んだバイクで走りだす」
なんて一瞬、尾崎豊を連想してしまった本作。
複雑な過去に家庭、そして問題を抱えた主人公のナイーブで、
それでいてどこにでもいる青年という優しい側面がしっかり描かれているところも、格別なスパイスだろう。
悪事に加担しつつも、見てしまえば応援せずにはおれなくなる。
裏切り、裏切られ、血みどろで破滅的な犯罪物語ながら、
そんな両面があいまれば残るのは甘酸っぱくも爽やか、オサレな後味。
見終わったあと、悪夢から覚めたような開放感残る1本だった。
舞台ミュージカル的な美術と、キレキレチェイスシーンのソリッドなカメラワーク。
このメリハリも、いいんだよな!
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