「音楽・音ハメ・気持ちいい。」ベイビー・ドライバー といぼ:レビューが長い人さんの映画レビュー(感想・評価)
音楽・音ハメ・気持ちいい。
TSUTAYAのDVDレンタル棚で見掛け、ジャケットがカッコいいのとレビューサイトでの評価が非常に高かったのをきっかけに借りました。「カーアクション映画」ということ以外は何も知らない状態での鑑賞です。
結論ですが、めっっっちゃ面白い!!!!
カーアクションがカッコいいのもありますし、ストーリーも王道な展開で非常に盛り上がる。そして何よりもミュージカル映画のような音楽と、その音楽に合わせた台詞やSEの音ハメが耳に心地よいことこの上ない。今年観た映画の中でも間違いなくトップクラスに面白い作品でした。
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幼少期の事故が原因の耳鳴りを和らげるために常にイヤホンで音楽を聴いているベイビー(アンセル・エルゴート)は、強盗犯を現場から逃がすための「逃がし屋」として活躍する凄腕のドライバーであった。逃がし屋になるきっかけである犯罪組織のボスのドク(ケビン・スペイシー)への借金も完済し、そして行きつけのカフェのウェイトレスとして働くデボラ(リリー・ジェームズ)と親密な関係になったのをきっかけに犯罪から足を洗うことを決心したのだが、ドクからの脅迫紛いの誘いによって再びベイビーは逃がし屋として仕事をする羽目になってしまう。
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この映画冒頭6分間で繰り広げられる迫力満点のカーチェイス。音楽に合わせて車が踊るかのような素晴らしいカーアクションで、このシーンだけで「この映画はヤバい」と分かるレベルです。
とにかく冒頭からエンディングまで「音の気持ちよさ」を追求した描写がなされています。それが特に顕著なのは最初のカーチェイスが終わってからベイビーがコーヒーを買いに行く約3分間の長回しシーンと、映画中盤にある銃撃戦のシーンですね。「どうやって撮影したんだ」ってくらいに音楽と合致したSEや台詞が挿入され、耳が非常に気持ち良い。多くのレビュアーさんが「ミュージカル映画のよう」と評するのも納得です。登場人物が歌って踊るようなシーンは無いんですけど、それでも本作はミュージカル的な演出や要素が多く、迫力の映像だけでなくテンションの上がる音楽も盛りだくさんで、目と耳の両方で楽しめるカーアクション映画となっていました。
ストーリーについても、個人的には非常に楽しめました。
本作は銀行強盗などの犯罪者を現場から逃走させる「逃がし屋」が主人公の映画です。このような映画ジャンルを「ゲッタウェイドライバー映画」と言うらしいですが、私の数少ない映画遍歴の中ではニコラス・ウェンディング・レフン監督の『ドライヴ』がそれにあたると思います。『ドライヴ』はシリアスなシーンがR15+作品特有の描写もありましたが、対して本作は終始エンタメ性が高く、純粋に楽しめる作品でしたね。ベイビーという幼さの残る青年が、デボラとの恋愛やジョーとの家族愛を経験することで、一人前の大人へと成長していく「成長物語」として非常に楽しむことができました。
ストーリー・演出・アクションシーン。どこをとっても一級品のエンタメカーアクション映画でした。オススメです!!!