「カーアクション+青春音楽映画の融合が楽しい」ベイビー・ドライバー AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)
カーアクション+青春音楽映画の融合が楽しい
カーチェイスの場面を疾走感あふれるBGMで盛り上げるのは常套手段だが、ジャンル映画にひとひねり加えるのが得意なエドガー・ライト監督は、カーアクション映画に流れる音楽を単なるバックグラウンドから“必然”に格上げする方法を考案した。主人公ベイビーに持病の耳鳴りがあり、これを打ち消して運転に集中するために音楽を聴く。音楽のグルーヴに乗って車が躍動する。観客もその映像と音楽に同期することで一層の没入感を得られるのだ。
クライムサスペンス的な面白さに加え、音楽家でない主人公の青春音楽映画、具体例を挙げると「あの頃ペニー・レインと」「エンパイア・レコード」「キミに逢えたら!」などに通じるポップで切ない感覚も大きな魅力。アンセル・エルゴートとリリー・ジェームズの組み合わせも、そこそこキャリアのある2人なのにフレッシュさがあって好感を持った。
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