劇場公開日 2018年1月13日

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「主役の4人組が一番の問題」アンダードッグ 二人の男 たろうさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5主役の4人組が一番の問題

2021年6月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

アマゾンプライムで観賞。
マ・ドンソク目当てじゃなければおそらく見ることはなかっただろう。
薄っぺらい話だなというのが率直な感想だ。格差社会を描きたいんだなというのは分かるが、なら男女4人組の抱える問題や苦悩や葛藤が大事になってくると思うがこの作品にはそれが表層的で薄っぺらい。主人公は親がいないみたいだが伯父さんがいるし、その伯父さんも彼に仕事を教えてくれるくらいには面倒は見てくれている。なのにそんな伯父の期待を裏切るようなことをしたのは主人公の方だし、それで家出や盗みを働いて、挙句の果てには金を貸してくれとは・・・。家族から虐待されて家出というのは、もはや使い古した設定かもしれないが、まだそっちの方が良かったよ。

肝心のドンソクはというと、彼は彼で問題ありの男だ。所謂「ダメな大人」なのだが、主人公と同様に”大切なもののために悪事にも手を染める”という役どころ。うまいシナリオなら彼をもっと魅力のある人物にできたかもしれないが、結局は調子に乗って痛い目を見る、ただの自業自得なキャラクターでしかない。いつものドンソクらしい重いパンチで小僧たちを沈めていく以外見どころはなかった。

一番の問題は4人組に感情移入できなかったところだ。箸の正しい持ち方ができない=家庭に問題がある…と、さり気なく彼らの事情は説明はされているが、深く感情移入するに至っていないのが惜しい。

たろう