劇場公開日 2018年3月24日

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「あの時代に感染者と愛を交わす勇気」BPM ビート・パー・ミニット しげぴいさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0あの時代に感染者と愛を交わす勇気

2018年3月24日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

悲しい

未だにAIDSを患い
命を崖っぷちに晒すひとが
存在している日本。
「無知こそ死」
「沈黙こそ死」
このメッセージを
心して受け止めるべきではないか。
感染のリスクは
誰にでもあること
今ではHIV感染が死を意味する
そんな時代ではないこと
だからみんな検査に行こう。
自分の身体に責任を持とう。

自らの生を確認するように
ビートに身体を預け踊る
一瞬の性の快楽に心の隙間を埋める
そんな痛々しい彼らの若さに
前回にも増して涙が止まらなかった。

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2018.3.24 新宿武蔵野館にて1回目
HIV感染がまだ死に直結していた時代
感染者をひとりの人間として愛し
病気に克つことをひたすら信じ
弱りゆくパートナーからも
目を背けることなくしっかりと
その一瞬ごとを見届けるナタンに
後半はもう涙が溢れっぱなしだった。

あの当時のゲイムーブメントを
懐かしく思い返しながら
たかだか30年されど30年の
医学の進歩の影にある
こうしたアクティビストたちの
やるせない怒りや絶望を糧にした活動に
胸を熱くせずにはいられない。

しげぴい