劇場公開日 2018年9月15日

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「肩の力が抜けて、心が暖かくなった。」顔たち、ところどころ xmasrose3105さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5肩の力が抜けて、心が暖かくなった。

2018年9月18日
iPhoneアプリから投稿

JRとアニエス。素敵な現像トラックに乗って、その土地土地に生きる人(時には動物)を写し、巨大に現像し、建物に貼ってしまう。喜ぶ人、居心地悪いと照れる人。ただ貼るだけじゃない。どうして本人や、そこに生きる人達の心を打つのか。どうしてでしょう?それをこの映画を観た人と話したい。
言葉にすれば単純だけど、この映画には愛が溢れている。とはいえ、そんな単純でもない。JRはサングラスと帽子を片時も外さないし、ゴダールは、会いに行ったのに、メッセージだけ。世の中に、愛はあるが、それだけで満たされているわけでもない。孤独や傷付くことへの恐れ、失望、隔たり、意見の違い。愛を、求めたり貰う側になることばかり望んだら、世の中は息苦しく、不機嫌な顔たちで埋め尽くされる。仕事に打ち込む、誇りを持って生きる、そういう日々のどこにでもある暮らしが尊い。そんな風に生きる人がいる限り、世の中に愛は創られていく。海岸の朽ち落ちた要塞に貼った写真は、翌日には跡形も無く消えていた。人間の為すことは儚い。一人の人生は、一瞬のこと。写真もまた一瞬を切り取るもの。切り取られた自分を、言い訳せず「素敵だ」と言える人に、自分もなりたい。

xmasrose3105