「気楽に見たら思わぬ感動!」家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。 いくちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
気楽に見たら思わぬ感動!
今年、観てきた映画で思わぬ感動をもらえた映画No.1です!
タイトル通りのことが始まって、最初は「こんなこと普通やんないでしょ!」と突っ込みながらも安田さんのリアクション含めおかしかったし(そう、僕は劇場で声出して笑いましたよ、普段笑う方ではないですが)、榮倉さんのかわいらしさにどんどん引き込まれる。何気にディスカウント品で家計に気遣っていること、そんなおふざけをしながらしっかりした食事を準備していて、旦那がもういいかな?という顔をするタイミングでにっこり笑って「夕食にしますか」と言うところなどなど……僕なら家に帰るのが憂鬱になるどころかわくわくしてしまうだろうに……。
驚くなかれこの死んだふりは実話がもとになっている!もちろん、同じことをしていたとしてもここまで手が込んではいないだろうけど(照明とか効果音とか…)
しかしながら、夫婦というものを深く考える物語は、逆によく脚色されている。「いろいろなことを乗り越えて、いつのまにか夫婦になっている」というセリフをはじめ、インパクトのあるセリフがちりばめられている。自分たち夫婦が間違っていないことを再認識させられて何度もジーンとくる。
最後まで明かされない「死んだふりの理由」(夫婦間では確認している)だけど、いくつかのヒントがある。榮倉さん演じるちえさんが、安田さん演じるじゅんさんのことをいつも想っていること、「私は探せばいつでも見つかります」という言葉、周りの人のいいところだけを見てその人たちのためになることを考える性格、思いをストレートに話せないけど深みのある言葉を使うくせ……どう考えても“じゅんさんのためにやっている”に違いない。でもその理由は、直感的に動くちえさんの性格から、本人もわかっていないのかもしれない。あんがいじゅんさんがこうじゃないの?と語っているのを聞いて、そうなのかも!って思っているかもしれません。
そんなことを空想すると、この夫婦がますますいとおしく感じてしまう。結婚3年目で丁寧語を使う距離感も、相手を大切に思う気持ちを不器用にぶつける夫婦像として、とても好意的にみえてしまいます。そうじゃない夫婦とのコントラストが、加賀美夫婦を初々しく見せてくれるのです。
僕のように夫婦生活がある程度過ぎた人が見た方が、感じる部分が多くなるかもしれませんね。