グラウンドブレイク 都市壊滅のレビュー・感想・評価
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スピタク地震
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実際の大地震を基にしたロシア・アルメニアのドキュメンタリーもどきのディザスター映画である。
地震は1988年(昭和63年)だからチェルノブイリ事故の2年後、震源地 はアルメニアの北部のスピタク市の西南西 12キ ロ、震源の深さは約 5キ ロというから稀に見る浅いところで起きた地震、しかもマグニチュード7.2(MI)というから凄まじい揺れ、震度は7が上限だが8ないし9に相当する激震と言われている。映画の舞台となったレニナカ ン市 は震源地か ら約 35キ ロ離れていたが震源か ら延びた断層線に近か ったため建物の約9割が被災した。当時、現地調査に赴いた元気象庁長官の末広重二氏は「仕事柄多くの被災地を見てきたが、これほど悲惨なのは初めて、瓦礫の山と言うより海だった」と語っているから映画のシーンは誇張では無いのだろう。
映画だからドラマ仕立ては致し方ない、過去の自動車事故の加害者と被害者の数奇な運命、再会などを絡めて瓦礫に埋まった人達を必死で救いだそうと頑張るアルメニア人たちの気骨を描いている。助かる人のいる反面、母を失った子や、子を失った親たちなど辛くて見ていられないシーンも多い。ハリウッドの作るパニック映画とは一線を画すシリアスな災害映画だった。
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