散り椿のレビュー・感想・評価
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凡
つまらない男のなんて事ない物語を、大袈裟に撮っただけの映画。 おそらく、物語なんかどうでもよくて、映像と役者を楽しむためだけのモノなんでしょう。 美しさの代償に面白さを失った凡作。年寄りだけで好きなだけ散り際の美学気取ってろ。 歪んだものほど面白いのにね。 あと、映画と関係ないけど、スタッフロールで「藤島ジュリー.KKK」って出ると どうしても笑っちゃう。特にこういう真面目ぶった映画だと。もっとやってほしいです。
殺陣は見応えあるが話が冗長
確かに「絵」はきれいだ。土や花の香りが漂う凛とした空気、人の呼吸音さえ吸収してしまいそうな雪景色、竹林の静謐さなどうっとりするほど美しい。 その自然の大らかさや美しさと対比するように繰り広げられる武士の世界は、矮小で意地汚い。 鬼平犯科帳のようなナレーションも、古くささを感じるが悪くはない。 がしかし、いかんせん話が時代劇でありきたりの内容であるにも関わらず、非常に展開が遅かった。 監督の我が出てしまったのか、映像の美しさを見せたいがためのカットが多いのだ。 また、新兵衛と妻との回顧場面も然り。 「新兵衛、なぜ戻ってきたのだ」という采女の台詞、何度聞いただろう。 そして、二人の主役陣。岡田准一と西島秀俊。 岡田にはどうしても凄みが足りないというか、三船敏郎のような滲み出る野性味や、憤りを隠した哀愁のようなものが感じられない。勿論日本映画界の重鎮と比べてしまうのは申し訳ないのだが、本人がそこを目指そう目指そうとしている気がしてこそばゆく、背伸びしてるようにしか見えない。 そして西島秀俊。他の作品では独特の存在感が際だつのだが、この作品ではどうも能面のようなひきつり顔としか映らず、仲間の死も自分の業も抱えた苦しみというものが、佇まいから感じられないのである。 鬼気迫る殺陣は目をみはるものがあり、クライマックスの型にはまらない血生臭ささはえげつなくて好み。特に采女がずんずん歩いて、気圧された相手を突き刺すところがいい。 新撰組・永倉新八の回顧録で「いざ斬り合いになると、相手がこうきたらこう、と考える余裕はなく、ただがむしゃらに体が動くのみ」という文を思い出す。 殺陣を楽しむという目的だけで、この作品を観る価値はあるかと思う。 あともう一つ、名カメラマンと云われる木村さんの作品を楽しみに劇場にきたのだが、ピンの合わせ方がそれほど巧いだろうかと首を傾げてしまった。 観たスクリーンでの再現性が悪かったのだろうか…。評判の高い「剣岳 点の記」を見てみたいと思う。
殺陣により磨きをかけてください!
時代劇の新作は必ずスクリーンで拝見します。 享保といえば徳川吉宗公の時代。大名家の家臣が、理不尽なお家制の中で凛として生きる雰囲気が伝わって来ます。岡田さんの小柄さも当時の武士のリアリティを感じて良い感じです。殺陣も日本刀で人を斬るというリアルさが感じられました。 時代は異なりますが、蒙古襲来や薩英戦争において外国が恐れをなした侍たち。小柄ながら皆が腰に日本刀を差し、刀をシンプルに一振りすれば、相手の手足が胴体から切り離される始末。全国隅々までこんな輩がおり、大名と呼ばれる地域ごとの王が統率している国政が、列強国が侵略できなかった最大の理由とされています。現在の戦争でもどんなに空爆しても、最後は陸軍が征圧しないと終わらないからね。 大義のために理不尽な死を受け入れざるを得ない時代に生きた男たち。そんな時代の生き様に思いを馳せる作品です。自身が生きる今の日本の国情と比較してしまいました。
皆様、励んでおられますか?
監督さん、いい画を撮るためなら、無茶をすることで有名な方ですが、背景が凄い。ある意味、映像の遺産ですね。 このような重厚な活劇は、この先、難しくなる気がするので、貴重な興行だったと思います。 何故か「シェーン」を思い出しました。昔ながらの放牧を営むおじさん。土地を囲い込む、新しい入植者に、いつも嫌がらせ。狼から大地を守ってきたプライドもあって、新しい牧畜が受け入れられません。そんな時、一人の男が…。 つまり、奥田瑛二の悪役っぷりが、あのおじさん並みに、板についているので、岡田くんも、挑み甲斐があったはず。「S P」にはなかった凄みに、圧倒されます。(いつかSP繋がりで、堤真一と、手合わせ願いたい。「地獄でなぜ悪い」で披露してましたけど、堤さん、古武道のたしなみがあるとか。頼れるねぇ。 ) そして感動のラスト。(感動したかどうかは、皆様に委ねます。)思わず、カムバッ~クと、心が叫びたがってしまいます。(ほんとに叫ぶかどうかは、皆様に委ねます。)ここまで映画の王道、まっしぐらな作品、今では希少性すら感じます。 今後、若いご見物を取り込まないと、娯楽活劇は、先細りするでしょう。結果、ゲームやマンガ寄りの萌えキャラも、投入されると考えられます。(「銀魂」面白かったですよね?。)ビジュアルの変更は、構いません。私も、既婚女性役に、お歯黒と眉剃りメイクを強要しないから。ただ、萌えキャラ狙いの子にも、人が人を想う、そんな芯の通った映画に、触れて欲しく存じます。この先いくつできるかな?。 さて、皆様も、いい映画に出会えるよう、励みましょう!。
殺陣の緊張感〜
原作未読です。 原作の持つ、日本人的感情表現とかは 私は比較できないからなんともいえませんが 殺陣は流石に、岡田准一の身体能力が違うというか〜 刀さばきが素早い〜〜 今、ここまでできる若手はいないでしょう。 映像も、そこは名カメラマンである 監督自らの撮影ですから美しいですよ。 見応えのある時代劇で映画館で見る価値「大」でございます。 で、月に8回ほど映画館に通う中途半端な映画好きとしては 一番関心したのは 襲ってきた相手に対して、殺す気は無い時と こいつは許さん!絶対殺す!という時の力の入れ方が 敵の倒れ方でちゃんと区別できている。 単に相手の戦意喪失のための斬り合いでは 倒れた敵が傷口を押さえてもがいている。 こいつは許さん!絶対殺す!という時は 致命傷決まった!バッタリ!という様に倒れて動かない。 いかに剣豪と言えども、 滅多やたらに人を殺す様な人物では 最終的にどれほど良いことをしても やっぱ矛盾しますもんね〜〜。 実は今までこのことは気になってまして、 今回その違いがちゃんと描かれてて、なんか我が意を得たり! みたいな気分でした。 それと判断が難しいのだけど、監督は主人公を 黒沢映画の「椿三十郎」的に描きたかったのか? 所々で、「椿三十郎」的に「無頼な感じ」を出すためか 無作法な座り方をするシーンがあるんだけど 現実の岡田准一の生真面目さが出てしまって 無理に侍社会を捨てようとしている様な苦しさを感じる。 もしかしたら、そちらが狙いかもしれない〜 監督に尋ねてみたいところです。 @もう一度観るなら? 「木村大作 傑作選」とかの特別上映があれば観に行くと思います。
時代劇特有の予定調和感。命を賭して守る、約束と絆。
【賛否両論チェック】 賛:亡き妻の想いを受けて帰郷した主人公と、義姉弟達や戦友との絆や、妻の真の想いを通じて、人間が生きていくことの儚さや尊さを思い知らされるよう。岡田准一さんの殺陣も必見。 否:悪く言うと、ただただ予定調和の中で話が進んでいくだけの印象。登場人物の関係性も入り組んでいて分かりにくいほか、映像もフィルム仕様でやや色が薄く見える。 まずフィルム仕様の映像なので、通常の映画よりもやや色合いが薄く見えます。古めかしい感じがあるので、もうその辺りから好き嫌いは分かれて来そうな感じでしょうか。 亡き妻との約束を果たすため、陰謀渦巻く故郷へと戻ってきた主人公。そこで紡がれていく義理の姉弟達との新しい絆に、生きていくことの尊さが垣間見えるようです。個人的には新兵衛の、 「大切なものに出逢えれば、それだけで幸せだと思っている。」 という言葉が印象に残りました。 そしてそんな新兵衛達や、かつての戦友をも飲み込んでいく陰謀の中で、最後に気づかされる亡き妻の本当の想いには、思わずグッと来ます。ラストは、大切なものを奪われた人間の怒りや哀しみが体現されているようで、圧倒されてしまいます。 良くも悪くも話はただただ淡々と進んで、予定調和の中であっさりと終わり、「ザ・定番の時代劇」という感も否めませんので、基本的には観る人を選ぶ作品といえそうですが、岡田准一さんの迫力満点の殺陣は、一見の価値ありです。気になった方は是非。
映像は天晴れ!ストーリーテリングは喝!
カメラマン出身の監督・木村大作の撮る映像の美しさは流石としか言いようがない。背景となる山々、剣の稽古中に舞い降る雪、そして散り椿が咲く庭、それらが全てがこの物語をより美しいものに引き立てている。明らかに三船敏郎を意識したであろう岡田准一の殺陣も見事であり、それを引きの画で撮ることで、身体全体の動きの美しさも際立たせたのは正に天晴れ! だが、「剣岳」でも感じたが、どうも木村大作はストーリーテリングが今ひとつ振るわない。登場人物の置かれた立場やその行動をとる動機がさらりと語られるのみであり、観客の琴線に触れるほど迫ってこないのだ。その美しい映像だけで全てを感じ取れと言っているのかもしれないが、物語は妻への愛と藩への真の忠誠という二段構えであるがゆえに、物語と登場人物の関係性がもっと整理されて然るべきである。何よりも主人公・新兵衛の妻・篠への想いの強さがあまり描かれないまま、物語が進んでいくのは惜しく思えて仕方がない。 しかしながら、近年あまり作られなくなっている時代劇をこれだけの豪華な顔ぶれで、しかもこれだけ硬派なものに仕上げてくれたことは有難い。斬って吹き出す血しぶきや、卑劣な手を使う敵役のあざとさなど、なかなか乙な演出も物語を盛り上げてくれる。映像だけで物語の全てを語るということは簡単なことではないが、これだけ美しい映像と粋な演出ができるのであれば、もう少しシンプルな物語を原作として選んだ方がより監督のセンスが光ったであろう。
その空間を楽しむ
言い方は悪いですけど、内容はそんなに期待せずに見に行きました。 期待は時代劇と岡田准一、西島秀俊、そして黒木華。 でも、見ていて美しく綺麗な映画だなぁ、と、そしてその映画の中の落ち着きというか静けさに、日々の暮らしの中の静謐な空間に居てる心地よさを感じられる作品でした。 CMで岡田vs西島の戦う場面が使われていたので、どういう設定でこうなったんだろうと気になっていましたが、そこはこういう意味があったんだと、私も気持ちよく騙されていたり、黒木華の佇まいの可愛さに、やっぱりこの子は上手いなぁと思ったり。 普段は推理ものだったり、華やかなものを見る方がスカッとすると思っているのですが、やはり、時代劇ならではの作品も見たいなあ、と思わせる作品でした。 これはテレビではなく映画で正解の作品だと思います。
良い映画でした
安心してゆっくり鑑賞しなおかつ感動できる映画です。 武士とはこうあるべきみたいな日本人の気持ちをきちんと表現して裏切らない。岡田君の殺陣の素晴らしさで周りがみんな上手く見える。あの低い構えからの殺陣は本当に素晴らしかった。そして麻生久美子の美しさ、感動ものです。日本の古き良き心と暮らしの全てが詰まっていました、
美しく繊細な描写と設定にズレを感じる
映像が美しい。 さすが巨匠。 「日本を代表する映画」といった趣。 岡田くんの殺陣がすごすぎて、周りの人がかすんで見えてしまった。 繊細な描写と造りこまれた背景などからみると、妻との約束を果たすため、という設定がややチープか。 池松壮亮さんはおでこの形的にちょんまげが似合わないのか、それともある意味で似合い過ぎているのか。 セリフが棒読みにしか感じられないけど、あれはあれでいいのか。
映像美を堪能。撮影出来る限界を追求しているかのよう
富山の四季が美しい。(五色八重散椿)散り椿が咲き終わってからスタートすることで春から四季の移ろいを見せる。劇場でキャメラマン木村大作映像を堪能。 雪がものすごく降っていたり雨が降っていたり霧が出ていたりと撮影条件が困難と思われる条件が次々登場、ギリギリみられる光量も狙っているかのよう。俺の撮影技量を見ろ!ってことか。 ライトがバンと当たっているような映像は一切ない。 紅葉バックの黒木華の顔がきれいかった。 岡田准一は主演、殺陣、撮影者にクレジット。クレジットは全員本人の直筆と思われる。麻生久美子がペン字の先生ばりにきれい。皆楷書で書くようにいわれているようなのに監督だけ崩し字。 四天王と云われている同門の4人剣筋が違う。岡田准一の重心の低さ!体術も披露、さすがのキレ。 西島秀俊の最後の力の抜けた暗殺剣のような動きが印象的だったのにあえない最期。対決シーンは相手が悪い。 池松壮亮だけちょんまげが似合ってないというか子供っぽい、ラストサムライを彷彿。 富司純子の演技が浮いてる。 主君の警護が薄すぎる。 岡田准一の役が無頼漢すぎる。8年前ホンマに仕官してたとは思えない。思ったことを口にするのはいいが不敬極まりな い。あれじゃあ傾奇者 でも格好良い。月代剃らないのズルい。 最後の鬼が凄い 『ひとは大切に思うものに出会えれば、それだけで幸せだと思うております』 葉室麟に捧ぐとあった。昨年亡くなっているのか。 享保15年1730年 撮影をしたのが2017年5月15日~7月5日 時代劇としては特異な全編オールロケ 夜のシーンは二度だけ 上に照明をつけない 城は彦根城、道場は長野の松代 国泰寺 重要文化財・浮田家 富山県にある国登録有形文化財の「豪農の館・内山邸」は榊原家 今回唯一ロケセットで建てたのは坂下家 残雪の日本アルプス 音楽がゴッドファーザーのテーマに聞こえる 基本的に常時3台のキャメラを回し、多い時には5台 榊原采女の義父・平蔵役で出演もしている木村。岡田准一が平蔵の絶命するシーンで撮影を担当
地元撮影の時代劇はいかんですな
ストーリーはともかく、監督の「この美しい画像をとりたかったんだ!」集な感じがしました。また、まだ原作を読んでいませんが、原作を読んで、頭の中で描ききれなかった美しい景色や情景をダイジェストで見るにはとてもよい作品だと思いました。 それに、背景の屏風がゴージャス!!!えええ!!!あれが!!!あの、あの!美術品が!!となりました。展示で一度みたら絶対に忘れられない、あの迫力の龍。写った瞬間気づきました。どえらい。 ただ。ただ。 はじめの、女の子が助けられるシーンとラストの黒木華の里美が見送りするシーンが、私の小さい頃の犬の散歩道だったことから、スクリーンでいくら切り取られていても、カメラに入りきらないその周りの道路などが360度・前後500mの範囲で脳裏で広がってしまったため、世界観に入れずじまいになってしまいました・・・トホホ・・・。 他にもいくつかそういうところがあり、雑念だらけで観てしまいました。 監督が徹底的に、現存するものの中で現代のものが写らないように作成するというこだわりを聞いたことはありますが、そのこだわりを台無しにする自分の脳みそを恨めしく思ったものです。 侍としての所作の美しさに関しては、やはり西島秀俊さんが圧巻でした。大奥で鍛えられたからでしょう。かもし出す雰囲気が違います。正座するときにすそを払うしぐさ。私自身、普段着物を着るほうなので、「それが自然に出るとは!さすが!」とため息がでました。 ふるさと自慢になってしまいますが、富山の景色は、大画面で見るに堪える景色だと思います。 小さい頃の犬の散歩道だったとはいえ、杉並木を歩くとき、剣岳を見つめるとき、どんなに勇壮な空気を感じさせられることか。ちなみに、あの杉並木のある眼目山立山寺(さっかさんりゅうせんじ)こと、さっかの寺は、年末の除夜の鐘がつけます。有志の方による、ぜんざいのふるまいもあります。お寺自体は、一度火事で消失したため、あまり威厳のある建物ではありませんが、撮影箇所の奥の森が私は好きです。時々カモシカも出ます。ぜひ行ってみては。
場面、場面は良いのだけど
俳優陣、風景など場面 場面の描写は良いのだけどストーリーが薄い感が。 あと、俳優陣の年齢層を統一して欲しかった。 四天王の歳ぎバラバラだし。岡田くんの嫁が麻生さん。 少し、違和感があった。 岡田くんは良い俳優になったとは思った。
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