「ジャムおじさんの方が仇名として」出会ってないけど、さようなら いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
ジャムおじさんの方が仇名として
『ジャムパンの君』より良いと思うのだが。。。 ま、それはストーリーとは関係無い些末。去年のOPピクチャーズ+の上映で思ったことは、折角未成年でも女性でもないのだからw、本場の成人映画を観たほうがいいのではないのか?と至極尤もなことで、今回、ラインナップが発表されて、さてでは今現在掛かってる作品はと調べてみると二作品が鑑賞できるとのこと。ドラマ部分よりも濡れ場部分をきちんと描く成人映画ならば違った趣もあるかもと上野迄イソイソ。
ま、でもやはり映画をきちんと観たいと思う人はやめておいた方が良いというのを改めて今回イヤと言うほど感じた次第。
兎に角落ち着いて鑑賞するという視点がここの観客には無い! 平気でおしゃべりしてるし、出入り自由だからひっきりなしに場内出入りが激しい、通路をウロウロしてるじいさんがいるし、下手すれば置き引きもいるんじゃないか?若年層の観客皆無だからオヤジのイビキがあちこちで聞こえる、挙げ句の果ては、存じ上げてはいたけど、露出カップル迄出没する始末・・・ テアトル新宿という場所を借りるっていうのは大変重大な要素だというのが今回改めて思い知らされた。
で、作品自体だが、ストーリー自体は、確かに一種冒険活劇的要素を孕んでいるのだが、仕方ないのだろうけど、主人公の動機に論理性が感じられないというか、必然性がないので共感が感じられないのだ。世界観やコンセプトは興味が湧くものなので、もう少しガッチリとした組立を主人公に施して欲しかった。
粗筋としては、ヒッキーである、もう40に近い女が、妹が結婚すると言うことで家を出て行って欲しいと言われる。ネットでお気に入りのユーチューバ―の映像には、縄跳びをしてる女の子の脇のベンチでジャムパンを頬張ってるくたびれたおじさんが映っている。そのおじさんに恋をしたその女は、映像に映ってる場所へ行ってみると、都合良くまた女の子が縄跳びをしに来て、そこから伊東迄、そのおじさんを捜しに二人で旅をする。旅先での悲喜交々の中で、殻に閉じこもっていた女が徐々に心を開き、ついでに身体も開いて遅すぎた初体験を・・・という内容。一緒に旅に付いてきた女の子も天真爛漫な振りで実は心に深い傷を負っていたというお決まりのロジックもあるのだが、その女の子との関わりでも初めは反発や違和感を感じてはいたのだが、女は自分の今までの弱い自分を変えていこうという気持ちになっていく。旅館の女将さん、漁師等、もっと深く食い込めるバックボーンや事情があれば、ストーリーに深みが増すのだが、やはり成人映画、これ以上は野暮かもしれない。思ったよりも濡れ場は少なく、その辺りも消化不良な気分が残るが、こういうフワフワした展開もまた日本映画の良い所なのかもと勝手に思ったり、思わなかったり。