「こんなに愛し合っているのに、手も触れられない……。今年最高のラブストーリーかも。」今夜、ロマンス劇場で お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)
こんなに愛し合っているのに、手も触れられない……。今年最高のラブストーリーかも。
映画というのは、どんな設定をしようとも、設定そのものに対して観客は文句は言いません。
ただし、その設定を前提として、思い切り楽しませてくれることを観客は求めてお金を払っているわけです。
さてそこで、この映画の設定ですが、映画の中の白黒のヒロインと、後世の観客との間でロマンスが生まれたとしたら……という、ま、ムチャクチャな設定です。
しかし、お互いに好きで好きでたまらないのに、手を触れることすら、できない二人のあいだの愛の行方はどうなるの? という、骨太のテーマ。思い切り、うならされました。
これって、実はロミオとジュリエットを始めとする多くの作品と、構図としては同じなのですが、オリジナリティーに富んだ発想と肉付けによって、ロマンス映画として屈指の作品に仕上がったと言えるのではないでしょうか。
力のないシナリオライターだと、最後は「観客の想像力に任せる……」といいながら仕事を放棄し逃げてしまうであろう部分に至るまで、キッチリと書き切っており、しかも観客を感動させ尽くしている点など、お見事としか言いようがありませんでした。
想像していたよりもずっと観客数は少なかったのですが、この今期最高のラブストーリーは絶対のお勧めです。
ぜひともカップルで観に行ってください。
思いが伝わると思いますよ。
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