「ここの評価を疑う ?」今夜、ロマンス劇場で terryさんの映画レビュー(感想・評価)
ここの評価を疑う ?
「お転婆姫と三獣士」のモノクロ映画のシーンから始まる。
脳裏に浮かんだ、モノクロ映画「ローマの休日」。
この作品は、どんなロマンスを見せてくれるのか、期待するも、
「お転婆姫と三獣士」がちょっぴりダサくて(これも仕掛けか)、
レビューの評価を疑いつつ観る。
結果から言うと、ストーリーの面白さが最高でした。
笑えるところ、涙をこらえるところ多々あり、そしてラストに大満足。
映像も綺麗で、色の使い方が効果的。
これまで、どんなに感動した作品でも4.5で抑えていましたが、
初めて評価5をつけます。
本当に見てよかったと思える映画です。
人が年を重ねていくさまが、すごく自然に表現されている。
映像的に短時間で、長い年月の経過を、見る方に分からせてくれます。
映画の中からというか、メルヘンの世界からというか、
そこからやって来たお転婆姫の美雪と、映画をこよなく愛し、また映画製作の助監督をしている健司とのロマンスの話ですが、
自分は、間違いなくリアル世界の側にいるつもりで見ていたのに、
いつのまにかメルヘンの世界に、違和感なく入り込んでいることに気付く。
それは、細かい仕掛けが沢山あり。
何と表現していいのか、上手く書けないけど、
合わせ鏡を見ているような仕掛け、あるいはロシアみやげのマトリョーシカのような仕掛けが散りばめられています。
その仕掛けが複雑過ぎないよう、抑えられているので見る側は、混乱なし。
それらの仕掛けを追いかけているうちに、
メルヘンの世界を信じこむことに抵抗感がなくなっている自分。
メルヘン(映画)の世界の居心地の良さ。
登場するすべての人物に、悪意ある人がいないという、すがすがしさ。
見ると、満足感でいっぱいになります。
ラストがほんと、奇跡ですね。ますます映画が好きになりました。