身体を売ったらサヨウナラのレビュー・感想・評価
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村上龍的アプローチ
一番尖っていた頃の村上龍の小説を読んでいるような雰囲気のする作品。女性一人称での語りが続く、インタビューも織込んだ、半ドキュメンタリー的、自伝エッセーという感じだ。勿論、本が原作。以前に物議を醸し出した元新聞記者の人の映画化。
監督は、内田英治。今一番旬な監督だろう。主人公役の人は、同じような顔の人が2人くらい頭に思い浮かべるんだけど、名前は失念。兎に角、美人。上演最終日も映画館に来ていたので実物を拝見したが、スクリーンに比べて、非常に小さいけど、これぞトランジスタグラマーといった感じで、芸能人オーラがビンビンだった。妄想だけど、同じようなこと現実でもやってるんだろうなぁとゲスの勘ぐり。
実際の作者の容姿とはレベルの違うこの女優を起用したことで、ほぼ今作品の完成度は約束されたのだろうと思う。それ程、今作品のストーリーに見合う役者はいないんじゃないか。そういう意味で、キャステングの成功の拍手だ。
個人的には、こういう人間の皮を被った化物とはトンと縁がないし、違う世界で生きている丸でお伽噺のような世界観に、吐き気がするのだが、どうしても目を奪われてしまうのは、やはり7つの大罪の内の『嫉妬』故なのだろう。全てを兼ね備えたフルスペックの超人にとって、相手が代議士だろうが金持ちだろうが、全てがコントロール可だ。ただ、唯一心の拠所にしていたピュアな部分も又、人間故、裏切られることになるが、しかし立ち直りもまた尋常ではない。こういうパーフェクト超人は、この世から早く消えて欲しいと願う反面、その美しさに目を奪われる矛盾な存在そのものなのだろうと諦観だ。
もっと東映は頑張って上映館を増やすべきだと思う。多分、OVAありきとの目論みなんだろうけど、こういう作品こそいろんな人に観て貰いたいと思うのだが。。。
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