劇場公開日 2017年8月26日

  • 予告編を見る

「アクションもCGもないけどいい映画」ボブという名の猫 幸せのハイタッチ そんぼさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5アクションもCGもないけどいい映画

2018年3月3日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

その街の映像に比べると、貧しく歌の下手な歌手。
しかもジャンキーからの更生プログラム中で、食事も部屋もない路上生活者だ。
それでも彼の希望は歌とギターだ。たったその2つだけ。
クリスマスは永遠にやってこない。

やっと支援事業でアパートの一室をあたえられ、そこにのら猫がやってきて彼のシリアルに手をだすのがはじまりだ。
多くの若者は無謀な夢を追い、夢の現実に打ち負かされる。それが、努力や才能の結果としての現実。
いつの間にか、名前はボブになった。猫の目をキレイに撮影している。
そしてボブとの日常生活がはじまる。すこしづつ世界の木製ギアが動き始める。
映画の中の人物も、それぞれに事情を抱えたふつーの人たち。
視点に暖かみを感じる映像だ。すごくいい。
それを感じるだけでも価値のある映画だと思う。

ボブをきっかけにして、世界がまわり始める。
失ったものを取り返すことはできない。でも、代わりに他のものを手に入れることはできる。
出会いと運と信じるものが必要だ。どれも以前の彼がもっていないものばかりだった。
今度は、彼の番だ。彼自身の時がくる。

アクションもCGもないけどいい映画
歌もいつのまにか良くなった。

そんぼの本棚