ナイト・ガーディアンズのレビュー・感想・評価
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風変りなロマンス
Men in Blackのロシア版、エイリアンの代わりは古典ホラーのバンパイア族とか獣人族、それを取り締まるのがD機関。目撃者の記憶を消すのはフラッシュライトではなくハーブスプレー、武器もバンパイア相手だから古典的、ハイテクな車の代わりに移動は専用地下鉄、アジトも古い地下鉄の司令室と超アナログ志向です。
18歳の配達人パーシャがある事件をきっかけにD機関にスカウトされる。バンパイア族の姫ダナをめとって闇の支配者になりたいとつけ狙う人喰い族ヤンクル一派とD機関の戦いを軸にパーシャとダナの宿命のようなロマンスを添えたホラー・アクション映画。
まあ、コミックと思えばそれなりに愉しめるのだがキャラクターが平凡すぎるのが難でしょうか。
バンパイアの姫といっても護衛が居る訳でもなく超能力もない孤独な女性、パーシャも戦士の血をひく若者らしいがあるのは霊感程度、もっとも敵役も魔術を使う訳でもないからなんとか勝負に持ち込める。D機関のボスのガマユンもタフさはわかるが頭の中が全く読めないちぐはぐ言動、時々、義眼で遊ぶのは鬼太郎のオマージュか・・。
見どころは、生ニンニクや杭打ち銃などバンパイアには苦手な古典武器ばかりと思ったらいきなりガトリング銃の連射はど派手、敵がマトリックスのキアヌのように弾をよけるので使ったのでしょう。
狼男は定番だが猪男とはひねりましたね、やたら太っていたのが伏線でしたか。
観終わってみれば風変りなロマンスの方が若者向けの狙いだったのかもしれませんね。
『色んな所から引用してみました』
自宅(CS放送)にて鑑賞。日本劇場未公開でロシア産、原題"Ночные стражи"。連邦保安庁の特殊任務、D局(“D”はデーモンを指し、約40種存在する異種生命体を監視する組織)と吸血鬼及びそれに対するグール等、魔界の住人達との三つ巴の戦いを繰り広げるアクションダークファンタジー。若干の既視感はあるものの、相対的にCGIは頑張っており、ハリウッド作と較べても見劣りしない。後半の立体駐車場では、巨大な(本年の干支)猪の様な獣が大暴れする追跡劇もあり、見応え充分。在り来たりなストーリーにさえ眼を瞑れば、愉しめる。70/100点。
・大きなネタバレとしてオープニングの夢は、クライマックスの布石であり、一番の見せ場で活かされている。
・全能の力を得ようと暗躍する“ドラコ”一族やY.ヴァクスマン の“太っちょ”と呼ばれる情報屋“コンダコフ”、A.ツォイ演じる中国式のマッサージ店で働く蛇遣い“リー・ウェン”等、個性豊かでユニークな魔物達が多数登場する。
・欧州諸国をは趣が異なる街並みと地下道や米国とも雰囲気が違う地下鉄等、ロシア独特のテイストが感じられた。L.ヤルモルニク演じる義眼の右眼で監視を続けるD局の“ガユマン(コードネーム“イゴール”)”、ぶっきらぼうな語り口だが、存在感があり、佳かった。
・特殊生物を秘密裏に監視・保護する組織は、本篇内の科白にも登場する通り、『メン・イン・ブラック』シリーズ('97・'02・'12)まんまである。グールから派生したヴァンパイア、最強を願いハイブリッドを画策すると云う設定はヴァンパイアvs(ヴァンパイアから派生した)ライカンを描く『アンダーワールド』シリーズ('03・'06・'09・'12・'17)を髣髴させ、スタイリッシュな戦闘シーンもシリーズ譲り。時折、FPSゲームの様な画面になり、これはロシアと米合作の『ハードコア('16)』を想起させた。
・鑑賞日:2019年1月12日(土)
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