「自分自身と利害が衝突するとき」あなた、そこにいてくれますか Gonzoさんの映画レビュー(感想・評価)
自分自身と利害が衝突するとき
あのときああしてたら、という後悔は誰にでもあると思われる。タイムトリップものではそういった点が主眼になることも多い。本作ではそのことにより過去の自分との利害衝突が生じているのが面白く感じた。主人公は医師であり、医療ドラマの側面もある。冒頭からして、兎唇の子の治療のため敢えてカンボジアに残るというエピソードを示し、主人公の医師としての資質を示している。
また、シリアスになりがちなストーリーにコメディの要素を吹きこむ友人のテホがたまらなく魅力的だ。電報が来るシーンでまたもお約束的に彼女との時間を妨害されるシーンでは思わず笑ってしまった。
自分の体に痕跡を残し、時空を超える「友人」へメッセージを伝える、というのは「君の名は」でも見られるプロットでこれもお約束といえばお約束である。
総じて、韓国的ロマンティシズムと相まって批評に楽しめる映画であった。
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