あゝ、荒野 後篇のレビュー・感想・評価
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愛を求める死闘
前編に引き続き圧倒的な熱量を保ったまま長さを感じさせず最後まで見入る物語だった。
後編は特にヤンイクチュンの演技力の高さに改めて唸らされる。
またユースケ・サンタマリアの独特な飄然具合が堀口のキャラクターに絶妙にシンクロしていて
ユースケと高橋和也の存在はこの物語のほど良いスパイスだった。
ただ、相関にある人物全てが新宿の片隅で申し合わせたかのように一同に集うご都合主義的展開には多少違和感も残り
また自殺防止サークルからの流れや、近未来設定の舞台背景にも物語への必然性や必要性はあまり感じられず散漫な印象も受けた。
漢同士の熱すぎる愛情物語に太刀打ちできず女性陣は身を引いた…という事だろうか。
魂を削り合うような痛みを感じる事でしか得られない絆や愛情も存在するのかとそのような事も考えさせられた作品だった。
いい
かっこいい映画だ。
なにもかもがかっこいい。
全ての役者の演技、狂気の試合の演技。
ヤン・イクチュンが素晴らしい。
なにもかもが素晴らしい。
ほんとうに面白い映画は
疲れていても眠気はこない。
目はらんらんと冴えわたる。
エンディングの曲がまたよかっなぁ。
・・・・
そして
溢れる感動と共に劇場を出ると、
そこは渋谷の街中だった。
あゝ新宿で観られなかった。
それだけが今回の汚点。
それにしても上映期間短かすぎやしないかい?
前篇は面白かったのになあ
前篇もシリアスシーンというか、文学的なシーンというか、含蓄ある重いシーンは脚本・演出・演技 弱かったんだよね。後篇は全部がその重いシーンでいくから、駄目だったよ。
キャラも崩壊してないかな。木村多江が「あなたには謝らない」って言うんだけど、前篇ではお弁当つくって仲良くしようとしてたんだけどなあ。
登場人物がみんな寝てはすれ違ってくけど、あれ、何が言いたかったんだろ。でもバリカンが「あなたとは繋がれない」って言うところは『世の中にこんな残酷な振り方があるだろうか』と思って面白かったなあ。
最後なんかデモの話が絡んでるっぽかったけど、これ前篇でも浮いてたけど、後篇ではいらないシーケンスになっちゃってた。
そんなこんなもあるけど、ボクシングシーンの迫力で繋いでるんだよね。でも、山田裕貴との試合の方が、ラストの試合より迫力あるってどうなんだろ。
寺山修司原作を映像化するって難しいのかな。前篇が良くて期待してただけにガッカリだったよ。
ボクシングというより
死について描いたというか描きたかった映画なのだなと感じました。
僕としてはもう少しボクシングの純度が高いとのれたのですが、、、
とはいえ僕はそこまでボクシングファンというわけではないしどちらかというと競馬狂(笑)ですが
やはり、ファイティングポーズをとってない相手を一方的に殴るというのは不快でしかないですね
殴っても殴っても立ち上がって構える相手を必死に倒そうとするなら
結果はどうあれ心が動かされると思うのですが、、
それしても長い(笑)
でも一気に見れました。役者さんの表情を見てるだけでも面白かったです。
前篇から1年後、2022年の新宿
前篇に比べ疾走感はなくなり時間を感じる静の時間が多かった。
今野杏奈が脱ぐとは思わなかった。セガミオリジナル0・01を使う新次と芳子のセックスシーンに加え、片目とセツのセックスシーンもあるのでR15+指定。
裕二と新次の遺恨試合でもスッキリ出来ず、バリカン健二の繋がりたいという思いに「騙されないぞ」と挑み「愛して欲しい」というアニキを殴り殺してしまう新次のラストカットの視線の先に荒野を見た気がする。
でんでんが出てくるシーンがどれも泣かせる。
ブラフマンの主題歌よりハレルヤ~♪の曲が印象に残った。
芳子とセツの邂逅がなかった。
京子が「殺せ~」と叫ぶシーンはよかった。ケバイ木村多江はなかなかハマっていた。
広げまくったエピソードをすべてきれいに回収することは出来なかったものの、監督と主演2人が「俺たちの代表作にしよう」と誓っただけのことはある熱いものを感じる作品だった。
あれ?
スローな出だしに、じれったいと思うほど「後編」を心待ちにしてた自分がいた。
前編はアウトローの特権とでもいうべきか、色々な制約の中で生きる必要はなかった。
だけど、後編になって逃れようのない社会というものがジワジワとその無慈悲さを露わにしてくる。
その不自由さが、作品から受けるジレンマかと思ったら違った。
荒野の割には随分湿っぽい荒野だった。
お決まりの脚本と演出のように感じた…残念ながら。
リングで殴られ続けるケンジは熱演だった。
ジムの閉鎖を告げられたシンジの孤独感も。
役者陣は仕事以上の仕事をしてたと思う。
でも、最後の試合は茶番であった。
顔を殴れないのは仕方がなかろう…いや、そう思わなきゃ仕方がないんだけど!
だけど、接近してボディの連打には興も冷める。そして、その2人を見つめる人々の涙の意味がわからない…。
シンジの母親の涙だけが、痛烈に俺の心臓を鷲掴みにしてた。
何にお前ら泣いてんだ?
そんなにも2人に関わってたか?
…それよりも。
ケンジの独白の真意が分からない。
愛してほしい??
僕はここにいる??
どこにも逃げないで??
離別を選んだのはあなただろ…シンジと親友でいる為に。
最後まで拳を交わす理由がケンジの方にこそあるんじゃないのか?
塗りたくられた血糊も嫌いだ。かえって嘘くさい!
ラストカットも意味が分からない。
誰に向けられた視線なんだ?
この原作は、人は成長しないって事を暗示してんのか?
徴兵制度がある社会背景も何の伏線であったのか、よく分からなかった…。
前編を観終わった後に、街ゆく人の全てに命の迸りを感じたのが嘘のようだ。
総じて、なんか体良く誤魔化され、グダグダな作品に成り下がった印象を受けた。
残念で仕方がない…。
う~ん…
前編が良く、期待しての後編だったが…。繋がりを求める話なのに、登場人物が都合良く繋がりすぎで萎える。そして最後の拳闘シーン、どうしても「レフリー、早く止めろ!」とイライラし、まったく感情移入が出来ない。頼むから「ボクシング」をしてくれ、と…。新次のあの連打は、バリカンの妄想の世界なのだ、と思い込む事で、何とか堪えた(笑)。
一番ぐっときたのは新次に敗れた裕二が車椅子姿の劉輝に泣きながら頭を下げるシーン…。
俳優陣は素晴らしかった。特にヤン イクチュン。「息もできない」「かぞくのくに」での彼には魅了された。今回のバリカン役も見事だったと思う。でんでん、ユースケのコンビも秀逸。個人的に感慨深いのは高橋和也。「そこのみにて光輝く」もそうだったが、スケベな社長役がすっかり板についている。男闘呼組時代から(良い意味で)遠くへ来たものだ、と感じた。
俳優の熱量が迸る
後編。
前編で設定が描かれて、本編のような展開。
ボクシングのシーンが増えて、新治と健二の繋がりに帰結していく。
菅田将暉、ヤン・イクチュンの魂が溢れる演技に掛かっている。
前編の自殺防止の会はほとんど描写されず、より新治達の話にフォーカスされているため、とても観やすい。
俳優陣の頑張りを観るためにも是非映画館で。
男の生き様をみた
前後編を一気に見たけれど、全く退屈しなかった。
憎む相手を殺すつもりでボクシングを始める年少帰りの若者は、やがてボクシングにも好きな子にも真摯に向き合うことを誓う。そして吃音でどもりの韓国人ハーフの男は孤独な自分がボクシングを通して繋がりたいと思う。ありふれた成功物語ではなく、友情でもないけれど、男達が何かを求めて戦う様は心に響いた。
菅田将暉のダル〜〜い感じとキレてケンカするシーン、はたまたボクシングで戦うシーン、どの場面もその目つきに魅了された。
そしてヤンイクチェンの演技は、本当に心をもっていかれた。
面白かった〜〜
最高に感動し泣きました
こんなにも心が震える映画は久しぶりです
理屈じゃなくて 正しいとか間違ってるとかではなく
2人の男の生きざまに感動して涙しました
見どころはなんといいてもボクシングの戦いのシーン
映画史上に残る名シーンになるのではないでしょうか
拳で打ち合うことでしかつながることができなかった
2人の男の生き様が たまらなく かっこよく せつなく
悲しく 観ているものの心をつかんで離しません
菅田将暉
ヤン・イクチュン
この2人最高です!!
とてもおしい!
これだけの良作なのに上映館、上映回数の少なさ、認知度の低さ。
下らない作品は日頃うんざりするほど宣伝の為にTVのバラエティーに役者を引っ張り出しすくせに、映画関係者って本当に映画愛はあるのでしょうか?
最後にひとつだけ、試合レフェリーストップでしょうレフェリー無能か?
前篇はほんの"サワリ"だった。菅田将暉は最優秀男優賞だね
前篇はほんの"サワリ"だった。原作どおりといったらそれまでなのだが、ボクシングシーンは菅田将暉だけでなく、ヤン・イクチュンの演技も壮絶で、キャスティングの意味がいよいよ発揮される。そして、やはり映画館スクリーンで観ると、"ヨーロッパビスタ"による画面への引き込まれ方がハンパない(前篇コメントで詳述)。
前・後篇で157分+147分(5時間)という大作だが、その長尺を感じさせないほどググッと引き込まれていく。しかし、なるべく続けて観ないと、後篇のはじまりが唐突である。そしてU-NEXT向けの連ドラ仕様にできている部分もあって、ヨーロッパビスタは劇場上映としての効果を上げてはいるが、やはり劇場未公開の12分というコンテンツ部分は気になる…。
近未来の政治予想的な設定は、荒唐無稽で蛇足だ。まぁ必要以上に掘り下げてはいないのでどうでもいいのだが、人の宿命を表現するには、奇妙なエピソードの挿入にしか見えない。あまり好きではない。
ここで大胆予想をしてしまうと、菅田将暉は、日本アカデミー賞の最優秀を獲れるんじゃないだろうか?
メインは本作の演技でだが、「帝一の國」や「銀魂」のコメディ演技もレベルが高く、このあと又吉直樹原作の「火花」の公開も控えているし。しかしこの手の作品が好きなのは、キネ旬ファンだろうから、ベスト・テンの個人賞どまりかもね。
(2017/10/22 /新宿ピカデリー/ヨーロッパビスタ)
つながりたい
人に本当に困っている悩みを口にしたのは
いつだろう。
手加減無しの本気の殴り合いをしたのは
いつだろう。
我を忘れるほど最後に抱き合ったのは
いつだろう。
お互いに
最後の自分の殻を破って、
触れ合えば、
深く知り合えるけど
自分とギャップがある人には
凄くエネルギーが
必要で、とても疲れる。
だから、似た人とつるむ。
けど、
振り返れば
人生の出会いの中で、
激しく惹かれるのは
自分にないものを宿した人。
いろんな理由で
つながりたい想いが
続かない事が多いけど
本作では、
それを貫いた男達の激しさの
なかに放り込まれます。
生命の残り火のカウントダウンを
拳で刻み始めた時、
何故か、
奥歯を噛みしめ泣いてました。
なにも、
悲しい事はなくて
ただ ただ
彼らの本気のやりとりに
魅了されました。
全てを賭けて
引き換えに得る
人の想い。
それを自分の中に
宿す感覚が最高。
エンディング
物語の舞台を2021年に設定したのは良かった。
映画のリアリティー向上に寄与した。
自殺防止フェス(あってる?)や社会奉仕プログラム法(あってるかな?)とかも面白い社会背景として効果を上げている。
しかし、ラストのボクシングの試合だけはリアリティーが削がれてしまった。2021年になるとレフェリーは試合を止めなくなるのだろうか?惜しいなあ。ここで、自分は若干の違和感を覚えて映画の世界から覚めてしまった。残念。
でも、見終わって気づいた。最後の最後に大ドンデン返しが仕込まれていることに。
ボクシングのリアリティーを考えている時に、気づいた。そうか、新宿は大罪は犯してないなと。リアリティーが向上し、星ひとつ回復だ。
岸監督に会う機会があったら聞いてみよう。
菅田将暉
前編ではヤンイクチュンがグッときましたが、菅田将暉という俳優を改めて すきになりました。
菅田将暉の良さを引き出した岸監督も素晴らしい。
もちろんヤンイクチュンも後編も素晴らしかった、
私は泣くような悲しさはなく、本当に一つの物語を観て楽しめた。ありがとうございました。
外の光が眩しかった
見終わって外にでて、陽の光が眩しかった
いつもの周りの景色がなんで変わっていないなか?不思議だった
そういう気持ちに映画見た後にかんじたのは何十年ぶりだろう
リングに立ち続けるバリカンケンジの思いの切なさ、で涙腺が決壊した
前編では最終シーンのシンジのブッコロス!の狂気の表情に心がかっさわれたのだがー
経済的徴兵制だと反対するデモやケンジの父の元自衛官という設定
あり得る未来かも知れないが説得力が十分にとは表現されていない
だが、繋がりたいというケンジとシンジの死闘のシーンで全ては回収され到達点まで一気に登りきった
最後のシンジの顔
菅田将暉は底知れない役者だ
バリカン…
満を持して後編、観させて頂きました。
やはり、イクチュンさんの、陽である新次に憧れやがては新次以外の誰とも「繋がれない」バリカン健二の、陰となる演技に尽きます。
菅田くんはじめ、他の演技者たちのそれぞれ掛け替えのない役柄も圧巻でしたが、見終わったあとに思いおこされるのはバリカン健二の仕草や表情。
そして、悲しいけれどバリカンにとって幸福な終闘の時を迎えることが出来たと思いたい。
最後まで新次を「憎みきれない」バリカンが愛しく切なかった。
その時の登場人物の涙は其々意味が違うかもしれないけれど、与えた感動はカウントアップしきれません。
『ありがとうバリカン』
体が熱くなり、席から立てなかった
理屈ではなく、画面から伝わる熱量がすごかったです。ボクシング映画は他にもあるけど、シンジとバリカンの戦いはスポーツとしてのボクシングを超え、つながることが全てと伝わりました。ボクシングシーンに時間をさきたっぷり見せてくれる演出は違和感がなく、2時間以上の時間は味わいつくすのに心地よい時間でした。最後2人が闘う場面で、客席のユースケやでんでんなどにカットが変わるのはうるさく感じました。またパンチの数をお互いに数えるシーンは急に背景が変わり、観客がいないので違和感を感じます。もっとドキュメントっぽくてもいいくらいです。断然後篇の方に見応えを感じました。最後のシーンを見ながら、セッションという映画を思い出しました。菅田将暉, ヤン・イクチュン圧巻!
菅田君の本気の演技、やっと見せてもらった!アニメなんかで収まる俳優ではないのです。
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