劇場公開日 2017年10月21日

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「ボクシング映画となった後篇」あゝ、荒野 後篇 たけはちさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ボクシング映画となった後篇

2025年3月15日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

興奮

前篇と比べると、ボクシングシーンに比重が置かれ、映画として引き締まった感を受けた。
菅田将暉のボクサーとしての様も悪くないが、ヤン・イクチュンが後篇の主役とも言え、彼の寡黙だが表情豊かな演技に加え、前篇ではおそらく意図的に抑えられていたボクサーとしての技量とその演技の素晴らしさが漲っている。
前篇を観た時に感じた、社会派的側面やセックスシーンの過剰さによる散漫な印象がなくなり、この映画全体の評価の理由がなんとなくわかった。
とはいえ、やはり徴兵制反対デモや自殺サークルの謎などはスルーされ、反体制的だった男が老いてなぜ菅田将暉とヤン・イクチュンの死闘の会場に向かうのか理由が定かには示されなかったのは残念だ。
しかしながら、冒頭で言ったようにラストの試合に向けた練習や精神性含めたボクシング映画としての側面は非常に優れており、岸監督という人の演出家としての技量には感銘を受けた。

たけはち