「死と生のバランス」あゝ、荒野 後篇 カメさんの映画レビュー(感想・評価)
死と生のバランス
個人評価:3.6
「息もできない」のヤン・イクチュンが、うってかわって穏和で無口な役柄で、とても沁みる演技で目が離せない。
死への向かう自殺という負のエネルギーと、生に向き合うボクシングの身を削るパワーとを対比させ、寺山修司の世界観を前後編の大作で表現している。
居場所を求め生きようという世界観は、力強く演者が生を表現しているが、死の表現を演じる役者が、モロ師岡以外はあまりにも絵面が弱く、うまく対比できていないとも感じ、バランスの悪さを感じる。
ヤン・イクチュンを改めて好きになる作品。
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