「前篇はほんの"サワリ"だった。菅田将暉は最優秀男優賞だね」あゝ、荒野 後篇 Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
前篇はほんの"サワリ"だった。菅田将暉は最優秀男優賞だね
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前篇はほんの"サワリ"だった。原作どおりといったらそれまでなのだが、ボクシングシーンは菅田将暉だけでなく、ヤン・イクチュンの演技も壮絶で、キャスティングの意味がいよいよ発揮される。そして、やはり映画館スクリーンで観ると、"ヨーロッパビスタ"による画面への引き込まれ方がハンパない(前篇コメントで詳述)。
前・後篇で157分+147分(5時間)という大作だが、その長尺を感じさせないほどググッと引き込まれていく。しかし、なるべく続けて観ないと、後篇のはじまりが唐突である。そしてU-NEXT向けの連ドラ仕様にできている部分もあって、ヨーロッパビスタは劇場上映としての効果を上げてはいるが、やはり劇場未公開の12分というコンテンツ部分は気になる…。
近未来の政治予想的な設定は、荒唐無稽で蛇足だ。まぁ必要以上に掘り下げてはいないのでどうでもいいのだが、人の宿命を表現するには、奇妙なエピソードの挿入にしか見えない。あまり好きではない。
ここで大胆予想をしてしまうと、菅田将暉は、日本アカデミー賞の最優秀を獲れるんじゃないだろうか?
メインは本作の演技でだが、「帝一の國」や「銀魂」のコメディ演技もレベルが高く、このあと又吉直樹原作の「火花」の公開も控えているし。しかしこの手の作品が好きなのは、キネ旬ファンだろうから、ベスト・テンの個人賞どまりかもね。
(2017/10/22 /新宿ピカデリー/ヨーロッパビスタ)
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