劇場公開日 2017年7月15日

  • 予告編を見る

「震災の痛み」彼女の人生は間違いじゃない バラージさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5震災の痛み

2025年7月13日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

カワイイ

福島県出身の廣木隆一監督が自らの処女小説を映画化した作品で、福島県いわき市の20代の女性市役所職員が主人公。震災で母親を失い、田んぼが汚染されて農業ができなくなった父親は補償金でパチンコ浸りの日々。彼女は週末になると深夜バスで東京に向かう。渋谷でデリヘル嬢をしているのだ。あの時から止まったままの時間、どこにもやり場のない気持ち。デリヘルのマネージャー、別れた恋人、仮設住宅の隣人たち。痛みを抱えたまま出口の見えない日常の中で同じところを回り続ける人々。廣木監督の描き出す震災後の風景はどこまでもリアルで、どこまでも痛みに満ちている。主人公の設定は廣木監督の『さよなら歌舞伎町』の登場人物のうち女の子2人の設定を組み合わせたもののようで、故郷と震災に対する監督の強い思いを感じさせる。

なんといっても主演の瀧内公美が素晴らしい。故郷を失い、行き場のない気持ちを抱えた女性の姿を見事に演じきっている。それまで全然知らない女優だったがフルヌードも辞さない熱演に魅了された。本当に素晴らしかった。そしてその脇を固める光石研、高良健吾、柄本時生、蓮佛美沙子らもいずれも好演。とても良い映画でした。

バラージ
PR U-NEXTで本編を観る