「瀧内公美さんの凄さを知った作品。廣木隆一監督はメジャー青春映画だけではなく、優れた社会派作品も撮る方なのだなあ。」彼女の人生は間違いじゃない NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
瀧内公美さんの凄さを知った作品。廣木隆一監督はメジャー青春映画だけではなく、優れた社会派作品も撮る方なのだなあ。
この映画は、瀧内公美という最近の邦画では稀有な立ち位置にいる素晴らしい女優さんなしには、成立しなかったのは観れば分かる。
福島で起きた怖ろしい出来事を背景に、物語は描かれる。
漁が出来なくなり、保証金で生活する覇気の無くなった父との二人暮らしの中、瀧内さん演じるみゆきは週日は市役所で働き、週末は”バスで”東京に行く。この対比が凄い。
彼女は何ゆえに週末、東京に行くのか?
色々な解釈が出来ると思うが、私は福島の市役所で働いているとどうしてもあの忌まわしく、怖ろしい出来事が付いて回る。敢えて、前を向くきっかけを掴むために東京に3時間かけて福島との温度差を断ち切るために”バスで”行くのだと思った。
みゆきの周囲の人間を邦画界、熟達の役者さんたち(高良健吾さん 光石研さん 蓮佛美沙子さん 安藤玉恵さん 浪岡一喜さん・・・ 滔滔たる布陣である)が演じているのも、この作品を一層趣深いものにしている。
廣木監督が自ら原作を執筆されている。才人である。
<2017年8月17日 旅行先のミニシアターにて鑑賞>
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