「ソダーバーグの最高傑作!かもしれない」ローガン・ラッキー つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
ソダーバーグの最高傑作!かもしれない
油断したつもりはなかったが完全に虚をつかれてしまったね。
だって、ガサツでマヌケなヤローどもがおバカな頭をフル回転させてラッキーと腕力とドラッグでハチャメチャやるクライムコメディだと思うよね?
このダニエル・クレイグを見てよ。いかにも暴れて壊して無茶苦茶やりそうでしょ。チャニング・テイタムもアダム・ドライバーも知性とは程遠いような役作りをしてるじゃない。
それが、なんということでしょう。どこからグダグダになっていくのかななんて気持ちで観ていたら全くの逆で、知的で緻密な犯罪計画がスピーディーでスタイリッシュに展開されていったよ。
中盤まで能天気に観ていたせいで色々と伏線を見逃しちまったよ。後で嫁さんに教えてもらったよ。チクショーめ。
終わった後に監督がスティーヴン・ソダーバーグだと知って、なんかもう最初の自分が抱いていたイメージから操作されていたようで悔しいよ。
ジョー・バングの弟二人は正真正銘のマヌケなんだけど、この二人の登場がおバカ映画であるに違いないと私の思考を引っ張りまくったんだ。これだって絶対イメージ操作だよ。
ジョー・バングに説明されてもなお、大量のダイナマイトで吹っ飛ばすもんだと心のどこかで思っていたよ。それがなんだよ、ダニエル・クレイグはダイナマイトどころか暴力すら振るわないよ。結構紳士だよ。
これ全部ソダーバーグの手のひらの上でコロコロされただけだよ。ホントに悔しいよ。
もうソダーバーグの最高傑作でいいよ。
ガサツに見えて実は「オーシャンズ11」よりも繊細な犯罪映画で、カントリーロードとタイトルにもなっているローガンラッキー(ローガン家の呪い)と笑いをスパイスにした極上エンタメだったよ。チクショーめ!