劇場公開日 2017年7月29日

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「【”密告の負の連鎖”】」ローサは密告された NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”密告の負の連鎖”】

2021年8月8日
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鑑賞方法:映画館、VOD

悲しい

怖い

難しい

ー 愚かしき男:フィリピン大統領に民衆からの圧倒的支持を受け1988年から国を統べるロドリゴ・ドゥテルテである。トランプが、まさかの米大統領に就任した際には、チャッカリお祝いをし、ミニトランプとも言われた男である。
  今作では、無能だが悪智恵だけは働く男が、国のトップになってしまった前の市井の人々が足掻く姿、及び愚かしき警察と称するチンピラの姿を、ブリランテ・メンドーサ監督が痛烈な批判の視線で描いている。ー

◆感想
 ・国のトップを統べるモノには知性、器、教養、リーガルマインド、等々人間として最小限必要な事が身に備わってる必要性を改めて、思い知る。
 尚、この作品にはロドリゴ・ドゥテルテは一切登場しない。彼が就任する前であるからである。でも、この混沌状態・。

 ・描かれるのは、マニラの混沌とした街で、必死に小さな雑貨屋で生計を立てているローサ及びその家族の姿である。
 その雑貨屋では、家計を維持するために少量の麻薬も売っている。

 ・ある日、その事実を密告する者が出たために、ローサと、夫ネストールは警察と称する連中に摘発される。
 ー この、警察と称する連中は公権力を衣に仮り、ローサ達から法外な金を引き出そうとする。そして、そこで巻き上げた金を警察に上納する・・。暴対法施工前の、どこやらの国と同じである。ー

 ・街中では、少年たちが、シンナーを吸っている・・。

 ・劇中流れる、グリッジノイズが気に障る音響も印象的である。

<鑑賞当時、この作品はドキュメンタリー作品かと思って観ていたのだが、ナント、ローサを演じたジャクリン・ホセは第69回カンヌ国際映画祭でシャーリーズ姉さんやイザベル・ユペール姉さんとクリスティン・スチュワートを制し、フィリピン初の主演女優賞を受賞しているのである。
 ラスト、マニラの混沌とした夜の街を見ながら、涙するジャクリン・ホセの姿は、久方振りに鑑賞すると、受賞は納得してしまった作品でもある。>

<2017年9月23日頃、京都シネマにて鑑賞>

<2021年8月8日 別媒体にて再鑑賞>

NOBU
kossyさんのコメント
2021年9月14日

NOBUさん、おはようございます。
お気づきになられてホッとしました。
公開当時は結構評判が良かったのですが、展開が尻すぼみになっていましたよね。
でも、どこの国にも闇の部分があるわけだし、こうした貧困と格差を描いた映画は増えてますね~好きですけど。

kossy
Bacchusさんのコメント
2021年8月8日

みたいと思った作品は可能な限り劇場に行ってますねw
ここにレビューを書き始めた当時は全ては書いてませんでしたが、2年ぐらいしてからは劇場でみたものは備忘録という位置づけで全部書く様になりした。

劇場観賞以外のレビューは、みたかったものが劇場でやらなくなり、円盤や配信になってみたた2〜3件ですかね。

Bacchus
Bacchusさんのコメント
2021年8月8日

中途半端に栄えた、これぞスラムという映画という印象やスラムあるあるの超自分勝手、自分さえ良ければという登場人物が記憶に残っています。

Bacchus