「硬派な戦争映画」ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦 manamboさんの映画レビュー(感想・評価)
硬派な戦争映画
1942年、ナチスドイツ支配下のプラハ。ロンドンに亡命したチェコ政府が送り込んだ将校たちが、ユダヤ人大量虐殺の首謀者でナチス親衛隊幹部のハイドリヒを暗殺した(エンスラポイド作戦)。映画は、この作戦とナチスの凄惨な報復の、実話に基づく物語。
戦争の暴力の外縁を、理不尽、むき出しの悪意、凶暴性、無慈悲、絶望などの言葉で表現することはできる。だけどこの映画から目に飛び込んでくる戦争の現実は、思考を拒否するのです。衝撃を言い表すことができない。そして、言葉にならなかった傷が心に沈殿してゆく。今となっては、歴史を検証し、その意味を言葉にすることができるし、それはとても重要なこと。でも、言葉にもならない現実の衝撃を伝えるのは、映画でこその仕事だと思った。こんな現実を体験するのは絶対にイヤだと、心に刻まれるのです。
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