「唐突なジャパニーズホラー演出が怖い」嘘を愛する女 やかんともきさんの映画レビュー(感想・評価)
唐突なジャパニーズホラー演出が怖い
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これから見る人にまず言っておきたいのは、この映画、ミステリーではありません。
予告で語られる謎っぽい語り口とDAIGOや川栄李奈のエキセントリックな風貌に意味はありません。全てはミステリっぽいふうに見せるためだけの演出です。
中身は長澤まさみが見せるビタイチ共感できない感じの悪い始終イライラした女(長澤まさみはこういう役ホントうまいですね)と、高橋一生の優しげな男プロモーションビデオです。
途中物語は無意味などんでん返しを繰り返しながら進み、真相らしきものに近づきますが、そこから何故かこの映画ジャパニーズホラーのような不思議な演出を多用しだします。
あまりにも不穏な空気を漂わせたり、
突然主人公視点になって部屋の中を見渡したり、役者の演技を妙に引きで撮ったり、演者の奥に変なものが映り込みそうで気になって仕方ありません。
そして主人公たちの行動も全く理解できません。なぜ彼女たちはあの家に入ったのでしょう?
あの家は子供が溺死し、直後に母親が事故死した家ですよね。
その中で主人公は、本当は自分と幸せになりたかったんだ!と、「彼の真の想い」に気付き泣き崩れます。自分は見てて、ああ、これは呪われるやつだわとどうでもいいことが気になって仕方ありませんでした。
最後には物語の間に挟み込まれる、高橋一生優しげPVが本当にあったことなのか、長澤まさみの妄想か?
なんてことまで疑ってみてしまう有様でした。
最後の涙は感動の涙というよりも、この女から逃げ切れなかった、高橋一生の悔し涙なんだと思えばまだ話として飲み込みやすい気さえしています。
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