「人が嘘をつくとき。人がそれでも愛せるとき。」嘘を愛する女 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
人が嘘をつくとき。人がそれでも愛せるとき。
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長澤まさみの良さを改めて実感した。ふつう、きれいな女優さんだと、例えばどれだけドンクサくしてもモテない女を演じても「私はほんとは綺麗なの」感が出てしまうもんだが、彼女は軽々とブスな一面を見せる。その上下のふり幅が映画の質を上げているように思えた。(シーンを上げないので抽象的ですが)
長澤と吉田鋼太郎が実にいい。振り回されっぷりが堂に入っていて、雇い主と探偵というよりは、バディのよう。
まあ、だいたい何で偽名だったのか?そもそも誰なのか?の行き着く先は想像できるが、ラストに向かう頃の頂上への到達感が、自分にはよかった。マジンガーZ、そうくるだろうと思ってても泣けたもの。小説の意味さえもそうだった。何よりも、あの終わり方がいい。あのあとの二人の人生を想像することが、どれほどこちらまで救われる気分になれたことか。
人はいろいろと間違いを起こすし、やり直せないこともある。そんな過去をも受け入れてくれると信頼できる相手と気づいた時の、人の強さを信じたい。
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