「静かに激しく」リバーズ・エッジ かなさんの映画レビュー(感想・評価)
静かに激しく
殴られたような鮮やかな痛々しさが鑑賞後に襲う。すごい。私みたいな闇を抱えた青春時代を過ごした人間には痛いくらいしみる。殴られてるのに満たされてるみたいな不思議な感覚。生きてるのか死んでるのかわからなくて、彼らにとって暴力が痛めつけてまた救いを求める手だったのかな。登場人物へのインタビューが良かった。彼らの持ち物が彼らの心を表してるようで。二階堂ふみさんのハルナの淡々としているのに感情的なところに共感した。吉沢亮くんの山田くんはミステリアスだけど、純粋で胸がキュッとする。サッカーに打ち込むトオルくんを見つめるまっすぐな瞳に泣けてくる。トオルくんは吉沢くんがインタビューで話していたように今の俳優だと竹内涼真くんみたいなキラキラしたスポーツ万能の好青年で、彼に惹かれるいじめられっ子のゲイの山田くん。山田くんと付き合ってるカンナの明るくてうざったい感じ、わかるなぁ。いるいるって思いながら見てた。暴力に溺れるハルナの彼氏の観音崎とか、男と体の関係を結ぶルミとか、摂食障害の人気モデルのこずえとか、今の時代にはちょっとリアリティを感じないような登場人物の言葉が刺さる。傷だらけの10代の頃が肯定されたような気がした。
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