「意外な収穫」女々演 ゆうまさんの映画レビュー(感想・評価)
意外な収穫
私は出演している矢倉楓子さん目当てで鑑賞しましたが、こういう捻くれた青春モノも良いなと感じ、今後注目する為に監督の名前も覚えました。
この作品は最後の文化祭で演劇部で演劇を披露する、という良くある青春系の設定を使って予想以上にドロドロした部員(女子がメイン)の関係性を露わにしていく展開が見所です。
修羅場と化す喧嘩シーンは潔いくらいの醜さで終始笑ってしまいます。他にもこの前に絵面的に醜い場面が1つありますw
少し前に良くあった学園ドラマのような見るからに問題ありげなクラス、リアルじゃないセンセーショナルなトラブル等はないので変な違和感を感じずに観れました。
その中で爆発するような喧嘩など緩急が良いです。最後に団結して大成功!みたいなドラマチックな展開がないのも、表に出るようなキレイな青春ドラマの"裏"で1つの経験として終わっていく文化祭というような演出で好きです。
気になる点を挙げると、ここまでホントは仲が悪い部員たちを観てると今まで部活が成り立ってた設定が不思議ですw
女子部員メインだと可能なんでしょうか?w
他には裏方の男子がキッカケで仲直りに繋がるのが、動機として弱く「これでやり直し出来るの?」と感じました。ここが1番気になりました。
LINE画面のような演出もよく出て来るのですが、ここも半分成功で半分失敗という感じ。複数グループ跨いだやり取り場面は良いのですが、他の通常のやりとりでは情緒を表現するのは難しく感じました。
終盤の演劇「崖っぷち白雪姫」はここが山場ではないのは分かるのですが、全て細切れにするのではなくせめて前半くらいは1つの流れとして見たかったですね。
それでも光る場面やユーモアを感じたので、見る価値ある青春映画です。