「ちょっと物足りなかった」ラプラスの魔女 ガブさんの映画レビュー(感想・評価)
ちょっと物足りなかった
予告を観た時に未来予知という、とても興味そそられる内容だったので観に行ってきました。
俳優陣も櫻井くん、広瀬すずちゃん、福士蒼汰くんと豪華で好きな役者さんばかり、おまけに東野圭吾さんの作品ということ個人的にはとても嬉しい取り合わせでした。
謎の少女がラプラスの力を持っていたせいか『PUSH 光と闇の能力者』という作品を思い出してました。
超能力系の物語で二番煎じなところもありますが私は結構好きな作品です。
気になる方は観てみてください。
対して、この物語は超能力とか魔法とかいう得体の知れないものでもはなく物理現象に基づく予知だったので興味深く観てました。
起承転結はしっかりしていて想像より狂気じみた物語でしたが、あまり起伏がないように私は感じました。
物語の展開も、ちょっと物足りず予告以上のものはなかったかなという印象です。
かなり序盤でラプラスの力を持った円華が、謙人は悪いやつじゃないと言い切ってしまう。
円華は心を読めるわけではないと思うけど、そこから信頼感や同じ力を持つもの同士の絆を感じるので、そうすると登場人物も少なく自ずと犯人(展開)が見えてくる。
肝心のラプラスの力も序盤のスマフォこそ「おっ」と思ったけど、あとはドライアイスと最後のダウンバーストのみで力を使った凄さは感じられなかった。
東野圭吾作品によくあるどんでん返しもあまり感じられず、先日観た『祈りの幕が下りる時』の方が物語としては好きだったかな。
青江教授も「実に面白い」と湯川学ばりに活躍するかと思いきやストーリーテラーのような感じで、なんなら高嶋さん扮するボディガードの方が存在感がありました。
とはいえ要所要所で悩める円華にアドバイスを与えたりと、この作品の良心みたいな存在だったのかな。。。
すずちゃんも珍しく眼光鋭く睨みつける場面が多くて、そのプレッシャーに押し切られる櫻井くんとの掛け合いが面白かったです。
あとリリーさんの醸し出す雰囲気が良かったですね。
リリーさんがああいう役をやる時は悪役が多いと思うんですが、そこがミスディレクションになっていて良かったです。
終わってみると物語の序章というような印象を受けました。
とても興味そそられるキャラクターなのでドラマでも映画でもいいのでまた、このトリオで事件を解決するような物語を観てみたいですね。