「メカ〇、大人エウレカ〇、SF的には理解するけど心情的には、、、」EUREKA 交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション A・ガワゴラークさんの映画レビュー(感想・評価)
メカ〇、大人エウレカ〇、SF的には理解するけど心情的には、、、
スコープサイズの全編新作。
エウレカセブンは、ポケットに虹がいっぱい、AO、ハイエボリューションとそれぞれ異なる世界設定を持っている。
本作はハイエボリューション3部作の最終作で、1がエウレカによる仮想世界「エウレカセブン」の話、2がアネモネが仮想世界からエウレカを連れ出す話、3が1の仮想世界が2に出現した話である(ややこしい)
ロシアを中心とする背景美術や、見せ場のアクション、メカなどはよくできている。20代半ばの軍人となりスーパーパイロット、諜報員として活躍するエウレカはカッコいいし、新しいエウレカ・アイリスと欧州を旅をする構成も悪くない。最後の起動エレベータと星間移民船のギミックも見どころである。
本作の評価が辛い理由はいくつかあって列挙すると
・本作はTV版と異なる人物設定で、SF的には世界内世界など多層構造を持っており、鑑賞中の理解が難しい。
たとえば、エウレカが傷を追った腕がTV版とは反対で、TV版とは異なる身体を持つようだ。
ホランド役の藤原啓治さんがお亡くなりになっており、この声優交代は仕方ない。
・登場人物が自分たちがフィクションではないかと自己言及してしまう(この点はややあやしい)。
・人が簡単に自爆攻撃を行う。妊娠中の妻を残して特攻するのは、今は受け入れられにくい。
・作画に不安定なところがある。
タタミの部分で、物語がフィクションであることに言及すると、物語の価値が一気におちてしまい、観客の感情を納得させるのが難しかったと思う。シナリオとして、フィクションを超える一手、これまでのフィクションを価値づける一手が欲しかった。
ミリタリー、メカ、低軌道アクションとしては豊かなので、メカ好きにはだんぜんオススメする。
自動運転車のコントロール切り替えは美しい。