「変態さんいらっしゃ~い/なぜミシェルは逃げなかったのかを考える映画でしょうか」地獄愛 カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
変態さんいらっしゃ~い/なぜミシェルは逃げなかったのかを考える映画でしょうか
結婚詐欺師がテーマの話しではなかった。結婚詐欺師の男がマッチングアプリで地雷女に捕まることから始まるお話し。男の過去と女の現在がクロスする点において、子供が一番の犠牲者であることは間違いありません。
実は Helena Noguerra (エレーナ・ノゲラ)目当てで見たんですが、彼女の濡れ場はなくて、かなりガッカリ。主演のどこにでもいそうな一見明るいおばちゃんが実は恋愛(セックス)依存症で、愛≒束縛≒嫉妬の悪女の深情けマックスなお話。多少なりとも経験したことがあるお方は、トラウマをえぐってくれる貴重な映画でもあります。
女の仕事は病院で亡くなった方のご遺体をきれいにする仕事。マッチングアプリで出会った男に対して、あっけらかんと自分の仕事をさらけ出す女。普通、腰が引けてしまいますよね。ベルギーではその専門職の方が実際にいらっしゃるのかどうかはわかりませんが、普通は看護師さんのお仕事。死体処理というと私の年代はつい、大江健三郎の小説、死者の奢りを思い出してしまい、毎日死体を触っている女といたすのに抵抗がない、むしろ惹かれる男に畏敬の念を感じてしまいます。まっ、絶倫変態男としか言いようがありませんが、男は実はドMの毛があったことがわかる印象的な描写もありました。不幸な生い立ちから悪女から逃げられない男の話しかと。男も女もどっちもどっちなんですが、なんか可哀想になりました。
キッチンでの独唱や全裸キャンプファイヤーシーンなどもなかなかかでした。
最後の女、Helena Noguerra (エレーナ・ノゲラ)はいい女でした。ミシェルもぞっこんだったのに、おばちゃんの言うことを聞いちゃうなんて。この話し、実話があるらしいです。まぁ、そうかもしれませんね。現実は小説より奇なりと言いますからね。それと、2006年にサルマ・ハエックとトラボルタ主演で、同じ実話を元にした、ロンリーハートという映画があるみたいなので、見たくなりました。