劇場公開日 2017年12月23日

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「松岡茉優と愉快な仲間たち♪」勝手にふるえてろ cmaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0松岡茉優と愉快な仲間たち♪

2018年1月2日
iPhoneアプリから投稿

この映画は、松岡茉優あっての映画。ぎゅっと直球!のポスター&ちらし写真を見てから、これは観逃せないとそわそわしていた。監督は、松岡とはこれで3作目という大九明子。女性監督だから、という括りはしたくないが、主演と同性だからこそ、の強みは確かあると思う。演じ手と創り手、この2人ならではの化学反応が随所に光り、爆発し…最後はスカッと爽快な気分で席を立つことができた。
長男6歳は、「ストレイヤーズ・クロニクル」あたりから松岡茉優さんがお気に入り。そのくせ、「今日の映画に出ていたね」と教えても、ピンとこないと首をかしげることがある。作品ごとに、雰囲気がここまで異なる若手俳優さんはなかなかいない。今回、彼はかなり翻弄されており、隣で興味深くちら見させてもらった。
幸福と不幸、情熱と滑稽さは紙一重…という法則と、それに裏打ちされた若気の至り。映画や小説で語り尽くされたような題材を、松岡茉優演じるヨシカとその仲間たち?!が、ミュージカルシーンも織り交ぜながら、身体いっぱいで体現し、ぐいぐいと惹きつけられた。変わり者扱いされても自分に満足、日々は幸福…だったはずのヨシカの生活は、同僚「ニ」の出現で突然揺らぎ始める。キラキラしていたはずの隣人たちとの関係が、実は…というくだりは、現実を思えば当然と思いつつも、ため息をつかずにいられなかった。(駅員さん、バスの隣の席のおばさん、釣り好きのおじさん…と、こちらも魅力的・個性的な顔ぶれが揃っている。)だからこそ、ヨシカがおばさんに話しかけ、帽子を褒めるところは本当に心温まった。帽子、前から被ってたっけ? 気づかなかっただけ?見ようとしてなかっただけ?と反芻しながら、顏がやわやわとほころんだ。(ヨシカ、かわいい!)
迷走の末にたどり着く「ニ」との結末も言わずもがな。にんまり。幸せ。映画を観終えたあと、「一とニどっちが好き?」と愚問を投げ掛け、「もちろんニ!」「ニみたいな男の子になってね!」と私と友人に即答されて「ええー」と戸惑う6歳児。まだまだ青いな…と思う年の瀬に。じんわりと体温が上がる映画なので、公開時期通り冬向けながら、敢えて灼熱の真夏にも観てみたい。あわよくば、「ニ」演じる渡辺大知さん主演の「色即ぜねれいしょん」と二本立てで!

cma