喜望峰の風に乗せてのレビュー・感想・評価
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何がこのような結末を招いたのか。現代版イカロスを思わせる物語
この人物、クローハーストのことは以前から何かで読んで知っていたのだが、もしも本作が自分にとって初めて彼の人生に触れる機会であったなら、鑑賞後、精神的にかなり引きずってしまったことと思う。
ある意味、すべての要素が彼を追い詰めたとも言える。もしくは、誰も悪くないのにこんなことが起こりうるのが人生の哀しさ、とも言い得る。面白いことに本国ではこれまでにもクローハーストにまつわる多くのドラマや映画、ドキュメンタリーが製作されてきた。誰もがこの逸話に、人間という生き物が抱える「謎」を感じているような気がする。
これは良き夫であり、良き家庭人であり、良き成功者でありたいと心から願ったごく平凡の男の物語である。手元にささやかな幸せがあっても、人は自ずと「もっと、もっと」と手を伸ばしてしまうのか。それとも引き返そうと気付いた時にはもう手遅れなのか。まるで現代版の「イカロス」のように思えてならなかった。
栗○くんも、あまり頑張らなければよかったんだ。こう言う人は日本人に多いぞ!
栗○くんを思い出す。もっとも、○城くんはちゃんと登りましたから、たとえが悪いですね。
やっぱり、後戻り出来ない嘘はつかない方が良いが、素人でもここまでやったから『ゆるして』って事なのだと思う。正にその通り。だから、パイオニアワークでもないし、冒険でもない。でも、ディスる事も出来ない。安らかに成仏してくださいとしか言えない。
あまりにも…
無謀と言われても仕方ない、悲しい実話。航海経験がないのにいきなり世界一周の無寄港レースに出るのは命知らずにも程があると感じた。自分の発明した計器に自信があったのだろうが、自然を相手にうまく行かず。スポンサーや家族のためについた嘘のせいで後戻りできなくなり、自ら命を絶ってしまった。結果的に家族を捨てることになってしまい、孤独な航海において相談もできなかったのだろう。違った展開を想像していただけに、悲しい。
“mercy”って何だろう…
タイトルから想像するような、爽やかな前向きな映画ではなかった。
原題のThe Mercyはクローハーストの航海日誌の言葉から。劇中の台詞にもあるが、mercyって何だ?
今では考えられないが、最後にゴールすれば細かい記録など調べられず、有名になれると思ったのだろうか。
準備不足で出発という時点でゴールは諦めていたのだろうか。
少なくとも観ていてゴールしようという意思が感じられない。
嘘をついてしまったという心の中の葛藤か、過去の思い出に浸っているという感じなので見ていてしんどさもあった。
海の色は場所によって違うように見え、綺麗だった。
うーん‥
簡単に言うとレースでイカサマして、バレるのが怖いから自死した話?
実話がどうだかわからないけど、子供が3人もいて、会社と家を賭けて挑戦した割にお粗末すぎる。
映画化されるほど有名な事件だったのかな。今ひとつでした。
海
コリン・ファースの名に惹かれて鑑賞。全く予備知識無しで見た為、展開に驚き。よくある冒険物語のような話でなく、淡々と進む感じ。結局途中で放棄し、自死に至る。海は大きく逃げようがない。
参加した動機がわからない。
経営不振だということはわかったが、週末セイラーとしてヨットを楽しむだけのビジネスマンが単独世界一周に参加するには動機が不十分。もっと何か腹の底から湧いて出る情熱が欲しかった。子供たちに夢を与える?ってだけじゃ、元々無謀すぎると思う。もしかしたら最初から死を覚悟してレースに臨んだのか、しかも9ヵ月間孤独に耐えなければならないのだ。
海図だけは嘘で塗り固めてあったけど、航海日誌は素直に書いていた。多分、その内容はドナルドの心理面を抉るような言葉で埋め尽くされていたのだろうけど、コリン・ファースの演技がそこまで至ってないようにも思う。“嘘”を思い立った場面はなかなか良かっただけに勿体ない。
例によって真実の物語なのですが、遺体も見つからず、優勝賞金を獲得した人が遺族に寄付したという美談の方が心に訴えてくるものがある。それぞれ顔を見合わせることもなく、無線の情報だけのライバルなのに、「金はいらねー」という男気が気に入った。どうせなら、優勝者ももっと描けば泣ける話になるかもしれない。
レイチェル・ワイズの二の腕が好き。
何故映画化されたのか
映画を観ていく内に何となく結果は読めていた
失敗した時に襲いかかって来る結果を恐れ彼は嘘をつき続け最終的にその嘘が自分にプレッシャーとして振りかかって来て自害する形となってしまった
これは持論だが内容を違う形でわかりやすく言うと飲酒運転で死亡したある一般民の人生を映画化した様な物だった
つまり全てにおいて自業自得だと言う事である
実話を基にした映画を作るのは有意義な事だがもっと映画化するべき実話は数多くあるはずなのにこういった不満しか残らない実話を映画にはして欲しくなかった
伝記モノは難しですね
私自身も趣味でヨットを楽しんでいたこともあり、多くの外洋レース参加や一人で世界の海を航海した経験があります。
なので、皆さんのレビューとは異なった視点になることをお許し下さい。
まず、このドキュメントは、本国の英国含め、欧米では非常に有名で、タイトルこそ違えど映画、TVドラマ、小説、オペラ等で繰り返し世に出ています。
日本で言えば、ミステリアスな歴史モノが何度もリメイクされる感覚です。
今回の「The Mercy」は、コリン・ファースが国民的俳優ゆえ、必然的に配役となったと取られています。
この映画で初めてこの出来事を知った方には、主役のドナルドの背景情報が少なすぎると思うので、消化不良で中途半端な作品と見られるようですが、実話はもっと深遠で豊かな愛と、人間の存在、神との対峙の葛藤が描かれています。
そのへんを知るには、これの100%実録映像作品「Deep Water」をご覧になられると良いと思います。有名なのでyoutubeで見れます。
欧米のファンはこれらの事前情報がある上で、今回は名優コリン・ファースを賞味するという構図なので、ストーリの本質は二の次になります。
映画には描かれてない点ですが、ドナルドが何故無謀なチャレンジに邁進したのか?経済的理由から賞金を狙う形になっていますが、
実際は、彼の幼少期時代、父の死と一家の財産の消失による生活の困窮、その後の流転で味わう英国のノブレスリージュ的な責任感、そこから生まれた家、家族を守るというマインドセットが絡み合い単独世界一周を成し遂げたチチェスターの背中にその解の全てを見た。ということだと思います。
ドナルドは週末セーラーとして近海セーリングしか経験のない身、それでもシーマンの端くれ、外洋、特に南極海の波の危険は誰でも知っています。
自分の船の艤装も明らかな準備不足。本人は延期を考えるがそれでも出航しなければならなかった理由と義理。それを知っている妻クレアの心痛。
何もドナルドが無鉄砲に走っていた訳でなく、止めることもできた、と後にDeep Waterの中で妻クレア自身が深い悩みを語っています。
Deep Waterではドナルドの生のログブック(航海日誌)、生の無線通信の状況が見れます。
彼の直筆ログの文字に、葛藤と孤独がいたるところに見られ、その苦しみが伝わります。
ターニングポイントとなったアフリカ沖、スクリューを失い、転覆防止復元用フロートも破損。(その先のアフリカ喜望峰や南米ホーン岬を回航するには、転覆必至、荒れる海面を抜け出すには動力重要)
戻れば屈辱、進めば死、の選択。彼はその中間を選び定期連絡を断ちました。その結果が偽装航海。
最初は罪悪感に始まるものの、最終的には人間としての存在の真理や究極の価値観を求めることに行き着きます。
何のためのフェイクだったのか?一見大嘘つき野郎ですが本国では彼をヒーローと見る人が大勢います。
社会は白黒分かりやすい単一的な因果を求めがちですが、この実話の核心は、インチキの審判ではなく、人間の弱さと愛の強さなのでしょう。
実録映像に見る、彼の瞳ににじむ寂しさ、静かに見送る家族、妻の不安と包む愛、、その心模様の立体的な奥深さは超一級の感動ストーリです。
作品が意図的に単調な表現に徹し、脚色なしで起きた事実のみを伝えるのは、献身的フェイクとは罪なのか正義なのかの永遠の問いかけなのだと思います。
もちろんそこに答えはなく、彼が到達した世界は命と引き換えに神への救済Mercyだったのだと思います。
同じヨットマンから見たマニアックなネタになりますが以下少々。
ドナルドの時代以降、単独無寄港世界一周の最短記録チャレンジは頻繁に行われています。
1969年彼が参戦した初回のレースは、その後ヨット界のレジェンドとなったノックス・ジョンストンが優勝で記録した313日。
その後多くのセーラーが挑戦し2004年フランスのフランシス・ジョワイヨンが72日の新記録を作ります。
この記録はしばらく破れないだろうと見られていましたが、翌年2005年、なんと英国の28歳の女性エレン・マッカサーにより破られます。新記録71日。
当時、屈強で命知らずのオジサン達が独占する戦場へ、うら若き女性が参戦するとして大きな話題となり、衛星中継ライブ映像が毎日届けられました。
プロセーラーなものの容姿もアイドル系で可愛く、英国の名誉挽回と支援者達の期待を一心に背負い出航しましたが、やはり南極海では猛烈な魔海の洗礼を受け、死の恐怖から連日キャビンの中で発狂、辞めたい辞めたいと大泣きを繰り返す状態でした。新記録(現在は更新されてます)で無事ゴール後はその偉業に英国女王より最年少でナイトの称号が与えられました。
その後、エレンは新記録を作ったトリマランに乗り世界各国を周ります。横浜のベイサイドマリーナに寄港した際は滞在中親しくさせて頂き、BBC取材陣を横目に記録映像を撮らせていただきました。
優しく繊細で奥ゆかしさがあり、出航時のキュートな笑顔は今でも忘れられません。
ドナルドの実際の映像を見ると、彼の顔がエレンに非常に似てるんです。なんの因果か、不思議なものです。
他にも、SSBによる定期通信、CWによる隠蔽工作、終盤罪の告白のためMZUW(エレクトロン号)が沿岸局に妻へ直接フォーンパッチを依頼する場面など、臨場感があり楽しめました。
今回のThe Mercyでご不満の方は是非Deep Waterをご覧になってみてください。
映画では妻役のレイチェル・ワイズの最後の言葉が良かったですね。こんな感じでしたでしょうか、、
「夫は貴方たちマスコミの犠牲になった。準備不足で無謀だと出航を断念するところを強引に背中を押したのは貴方たちです。皆成功を祈っていたはずなのに、失敗するやいなや海に落とし笑いものにし、更にその頭を押さえつけるのが貴方たちマスコミです。夫はもう戻りません。でも今でも毎日夫の帰りを待つ子供たちがここにいるのです」
理解できなくても、許せるか
ヨットには(チーム戦の方ですが)若干興味があるし、『クレイジージャーニー』の白石康次郎さんのテレビを見たことがあるので、その過酷さはある程度はわかっているつもりで鑑賞しました。
まず、このポスターと、この邦題からして、希望に溢れた映画だと思ってみました。
全く違いました。
とてもとても悲しい映画でした。
ラスト近くの奥さんの言葉が、きっとこの映画のテーマだったと思います、いや思いたい。
「理解できなくても、許したい。」
果たして、自分にできるだろうか。
「赦し」について考えさせられました。
世間の批判や、仲間の期待を裏切ることなんて、きっとちょっと我慢すれば何てことはなかった。
彼は何よりも、家族の愛の重さについて押し潰されて、あのような決断をとりました。
彼のことを許せただろうか、子どもたちは、父親のことを誇りに思えただろうか。
私は悔しい。
そして、許せない。
人間は誰でも罪を犯すもの。
それを自分が受け入れて償うことができるほど強いか。
周囲の人については、彼がどんなに世間に後ろ指さされることをしたとしても、許すことができるか、責めないでいられるか。
結構突きつけられるテーマでした。
生きて帰るのと、あのまま死んでしまうのと。
どっちが騒動が起きずに済んだかなぁ。
やっぱ死んで欲しくなかったな。
自壊
1968年にイギリス発で行われた世界初のヨットでの単独無寄港世界一周レースに参加した男の話。
基になった出来事は知らず、測位機器の製造販売業者を営むヨットのアマチュアが世界一周レースに挑むという始まりで、「ナヴィケーター」の宣伝や売名が目的ながら偉業をなし遂げた話かと思ったら…嘘を流したこと以外は良い人だし、家族への愛情も強く持っているし、嘘に対する葛藤や苦悩があったみたいな描き方がされているけれど、本当のところはわからないっていうね。
自分には、ただの調子ノリの男が根拠の無い自信で大見栄をはったけど、謝ったり一から出直す勇気がなく出航したらやっぱり上手く行かず。冷たい目に晒される根性もなくて逃げきった哀しい話か残念な話としかみられず。
上手いこと波乱万丈の冒険譚風にみせていてストーリー展開は面白かったけど、事実だから仕方ないとはいえラストががっかりで締まらなかった。
孤独
まず、本当にヨットの上、海の上にいる感覚になります
そしてこの映画は前半にほんの一瞬だけ幸せや、希望に溢れた時間が流れるけど、
その後はずーーっと最後の最後まで孤独だった。
孤独感と絶望感、無念、悲しみ、苦しみ、痛み、葛藤、、、。
ドナルドが達成したかった世界一周。
とても到達することは出来ないと分かっていながら果敢にチャレンジする彼の姿はとても眩しかったしカッコ良かった
だけど、その裏には不安しかない。仮面を被ったドナルドが既にいた。。
航海中は、といえばもう、、、
どう表現したらいいのか。。
誰の手も借りれず一人で押し潰されるドナルド。
家族の声さえ聞くことが出来ずに。
自分から無線を切ってしまう。
葛藤の末航海がとても順調に行っているという嘘をつく。
罪を犯し、故郷にいる人々はそれを大々的に発表し、先走り大喜び
ドナルドはそれを訂正することも出来ずただただ海の上に浮かんでいるだけ。そして自分を責める。
なぜ棄権しなかったんだろう、どうして戻れなかったんだろう、、本当に苦しかっただろうな。。
これが真実に基づいた話しである事を知った上で鑑賞していたので、胸が痛くて痛くて涙が止まらなかった。
コリンファースの役作りも素晴らしかった。
痩せ細って行き、黒く焼け、髭や髪の毛は悲惨な状態。
だけどやはりコリンの目は美しかった。
ドナルドは自分から命を絶ったのだと思った
きっと、あの時計を重しにしたのではないか。。
最後に
唯一達成できた挑戦者が、ドナルドの遺族へ賞金を渡したという言葉が出てきたとき、
また涙がドバーーーーット滝のように出てしまった。
彼は自分に失望したくなかったのかな。
だけど命を絶つ事はなんの救いでもない。。
アーーー頭痛い!
孤独な航海記
人生一発逆転を狙って無寄港での世界一周航海を目指した男の話。
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たった一人でしかも海に出たことの無い素人で、不完全な船で航海をするのがどんなに孤独なことか。英国紳士な良いパパのコリン・ファースがだんだんやつれてく姿が悲しい。
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船はずっと揺れてるし、船の中はスポンサーからのビールやら(そんな飲まねーよ)なんやらで狭くてそれだけで気が狂いそうだよ。そして画面も揺れてるからこっちも酔いそうに、、(笑).
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結局主人公追い詰められた果てに死んじゃうんだけど、この映画主人公がどうして追い詰められいったのかって言うのがわかりやすくてまだ死んだ理由は理解出来る。
それが良いか悪いかは別としてね。
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同じように大切な人を残した死でもアリーの時は身勝手だなぁと思ったけど、この話は死んでもしょうがない状況かと思ってしまう。どっちにしろ周りがどうにかできないものか。
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