「間宮、毎熊の熱演」全員死刑 どすこいたろうさんの映画レビュー(感想・評価)
間宮、毎熊の熱演
間宮祥太朗目当てで観た訳ですが、衝撃に次ぐ衝撃!実際に起きた事件がもとになっている映画ですが、不謹慎とかそんなのもうどうでも良くなる程の勢いとエネルギー!
まず、お目当ての間宮祥太朗ですが、こんな役やってたんですね…。今ではすっかりイケメン枠の俳優さんて感じですが、このヤクザの演技が素晴らしい!ヤクザというかチンピラ?凄みとかではなく、頭の悪さを勢いでカバーしている感じ。この小物感が絶妙!後半いよいよぶっ壊れていく家族、その中心であるタカノリが狂気を帯びていく様はまさに迫真。そしてやっぱり狂いきれない小物感(笑)もう最高に面白い!
異常なまでにテンポの良い作品。全くダレることなく突っ走ります。間宮の熱演も勿論ですが、長男役の毎熊克哉、凄かった。この2人の演技がとにかく素晴らしく、一生観ていたいし夢中で観てたらいつの間にか終わってた感じ(笑)秀逸な脚本と俳優の演技の大勝利です。
殺人事件がモチーフとなっているわけですが、あからさまなグロ描写はほぼ無し。その代わりショッキングな演出がチラホラ。ジャンプスケア、ホラーチックな演出は意外でした。犯人の心理描写は控えめで、「こんなバカどもに同情なんてすんなよ!」というメッセージすら感じられました。
ただ一つ、合わなかったのが下品な下ネタシーン。そんなに多いわけではないですが、ちょいちょい出てくる卑猥な演出がちょっと気になっちゃいました。まぁ、登場人物達のキャラクターを考えればそういう世界観はむしろ当然で、自然な流れなのかも。個人的にちょっと合わなかっただけです。
大勝利なんて言いましたが、世間的な評価は今ひとつ。確かに、若干漂うB級感と短絡的過ぎるブチギレ家族は合わない人が多いかもしれませんね。しかしこの熱量はただごとではない。間宮、毎熊の名演が生み出す勢いと緊張感、そして「こいつら何やってんだ?」と呆れてしまう程の愚行の数々は、笑いと恐怖を含んだ見事なエンターテイメントでした。