「【”光速ストーリー展開と、雷のような予測不能のカット・アウェイに戸惑いつつも、電力供給方法に火花を散らす男たちの”史実を参考にした”物語を堪能する。】」エジソンズ・ゲーム NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”光速ストーリー展開と、雷のような予測不能のカット・アウェイに戸惑いつつも、電力供給方法に火花を散らす男たちの”史実を参考にした”物語を堪能する。】
ー”事実に触発された物語”とテロップが流れたので、鑑賞スタンスを少し変える。(史実を少し、いじっているんだね・・)-
冒頭、エジソン(ベネディクト・カンバーバッチ:風変わりな天才を演じさせるなら、この人。)は、”雪原の様なところ”で風雨を手で防ぎながら、立っている・・。
シーンは変わり、サークル状に並べた白熱電灯の真ん中に立つエジソンの姿。
ここから、電光石火のようなスピードで、1880年の電力供給方法競争開始から1893年のシカゴ万博での二人が和解する場面が描かれる。
■印象的なシーン
・上記、シカゴ万博で日本人女性が和紙に”天下太平”などと書いているコーナーの前で、電力供給方法競争に決着が着いたエジソンとウェスティングハウス(マイケル・シャノン:良い俳優であることを、今作で再認識)が穏やかな表情で会話を交わすシーン。
ーやれやれ、二人とも憑き物が落ちたようだな・・。特にエジソン。-
■謎だったが、勝手に解釈したシーン
・ウェスティングハウスが南北戦争末期、そぼ降る雨の中、南軍の残党らしき男に銃を突き付けられるシーン。劇中、何度も挿入されるのでイロイロ考えていたが、彼とエジソンとの電力供給方法競争を暗示しているのだろう・・と勝手に解釈。最後に、ウェスティングハウスは相手の男を咄嗟の動きで撃ち殺すしね・・。
■少し、残念だった部分
・”直流、交流、どちらが優れているのか”の数々の光速シーンとあっさり決着が着く所が”もう少しキチンと描いておくれよ・・”
・エジソンが交流の危険性を世間にアピールするため、電気椅子開発に至る過程とその後の世間からの酷評の描き方
―やや、平板かなあ・・。-
・テスラ(ニコラス・ホルト)の登場の仕方や、彼の立場の変化が少し分かりにくい部分
ー現代の”眠らぬ発明家で実業家”のイーロン・マスクが社名にしたほどの人物なのだから、もう少しキチンと描いて欲しかったなあ・・。
イーロン・マスクは将来ライバルになるかもしれないし、総資産で負けたからなあ・・。(2020年6月現在。見てろよお・・。)ー
<ラスト、冒頭にエジソンが立っていたのは”雪原”ではなく、”ナイアガラの滝”ではないかと微かに思ったが、成程ね、そういうことでしたか・・と思った作品。
電力使用の創成期の頃を映画で見た記憶がなく、イロイロと確認できた作品でもある。
当時の衣装、意匠なども鑑賞していて楽しめます。>