劇場公開日 2020年6月19日

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「悪くはないが、少々難解で、盛り上がりに欠けるかな」エジソンズ・ゲーム おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0悪くはないが、少々難解で、盛り上がりに欠けるかな

2020年6月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

予告から電気供給の覇権争いが繰り広げられることだけは理解した上で鑑賞してきました。開幕直後の映像で、ここから電気ビジネスが始まり、これによって人々の生活が劇的に変化していくのかと、以降の展開に期待が膨らみました。

が、その10分後には早くも脱落しそうな勢いでした。というのも、場面が目まぐるしく移り変わり、登場人物も次々に湧いてきたからです。「エジソン? もちろん知ってる」「ニコラ・テスラ? うん、名前は聞いたことある」「ウェスティングハウス? 誰それ?」「インサル? ピーター・パーカー?」てな感じで、エジソンとの関係や立場がよくわからない人物が次々登場して、頭の中で渋滞発生。しかも髭男比率が高くて区別がつかない!という、なかなかにつらい序盤でした。

しかし、そこを乗り越えた中盤以降は、エジソンがどんどん嫌なヤツになり、尻上がりにおもしろくなっていきました。電気に疎いので、台詞で語られる内容はよく理解できませんでしたが、直流VS交流の図式はよくわかりました。そして、エジソンがどんな手を使ってもライバルを蹴落とそうとしたことも…。いつの時代もそうですが、ことビジネスにおいては2番じゃダメなんですよねー。

そんなライバル関係のエジソンとウェスティングハウスが、終盤の万博で出会った時の会話は好きです。いつの間にかウェスティングハウスに肩入れして見ていたことに気づかされました。それは、偉大な発明家であるがゆえのプライドや苦悩や意地などを含めて、人間トーマス・エジソンをカンバーバッチが見事に演じたということでもあるのでしょう。ひょっとしたら、配役を逆にして、ウェスティングハウスを主役にしたほうが、作品としてはおもしろくなったかもしれません。

というわけで、歴史と電気に強い人なら楽しい作品だと思いますが、自分にはちょっと難しく、やや盛り上がりに欠ける印象の作品でした。

おじゃる