「原因不明の病気の恐怖!」彼女が目覚めるその日まで おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
原因不明の病気の恐怖!
本作を通して、抗NMDA受容体脳炎という病気を知りました。以前はこの病気が悪魔の仕業や精神病として片づけられ、適切な治療がなされていなかったのかと思うと恐ろしくなります。そういう意味では、この病気の認知度を上げた本作の役割は大きいと思います。
実際にこの難病に冒された女性の手記を映画化しただけあって、病気の進行に伴って異常行動がエスカレートしていく様子が丁寧に描かれています。また、そこにクロエの迫真の演技が加わることで、この病気の恐ろしさがますます際立ち、恐怖を感じるほどでした。
しかし、実話を忠実に映像化したためなのか、感動要素が薄く、映画としてはややおもしろみに欠ける印象でした。また、両親が苛立ちを医師にぶつけるシーンはやや違和感を覚えました。病気の原因を突き止められない医者を、両親が責め立てる気持ちはわからなくもないです。しかし、その態度があまりにも強気で、娘の心配より、医者への攻撃に重点を置いた感じがして、共感するというより、むしろ引いてしまいました。カーン先生やナジャー先生あたりにスポットを当ててみてもよかったのに…なんてことも思ってしまいました。
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