「彼女を取り巻く人々の熱意と信頼」彼女が目覚めるその日まで shironさんの映画レビュー(感想・評価)
彼女を取り巻く人々の熱意と信頼
日本で“狐憑き”と言われていたのも、実は大半がこの抗NMDA受容体脳炎だったのでしょうね。
医学の進歩って素晴らしい!
原作者のトークショーと書いてあったので、ノンフィクションライターさんがご登壇なさるのかと思っていたら、なんとご本人でした!!!(°▽°)
ハツラツとしていて、むちゃくちゃ美人で、まるで女優さんみたい。
映画のクロエちゃんそのものでした。
いや、クロエちゃんがご本人に寄せて演技していたのか (^◇^;)
そう言えば、話す身振り手振りも似ていました。
ティーチインもあったのですが、患者の会の方々やお医者の卵ちゃん一人一人の質問に丁寧に答えてくださって、英語は殆どわからない私ですが、彼女の真っ直ぐな気持ちは伝わってきました。
こんな貴重な会に参加できて本当に感謝です。
当時は今より更に認知度が低い病気だったので苦しんでいる方も相当多かったのでしょう。
スザンナさんが上司のすすめで自身の体験手記を掲載したところ、あまりにも反響が大きく
この病気を多くの人に知ってもらう事が自分の使命だと感じたそうです。
そうして本が出版され映画化されたお陰で、私もこの病気を初めて知る事ができたのですが、
この映画は病気の事だけではなく、彼女のパワーと、彼女を取り巻く人々との信頼関係も描かれていた様に思います。
症状が出てきた頃の診察では、何度もアルコールやドラッグを疑われて、病気を知っているこっちとしてはイライラしますが、確かに疑われても仕方のない症状なので辛いです。
医師達が検査をするも原因不明で、精神科へ委ねる見解になったとき「そんな筈はない!もっと検査をしてくれ!」と言える家族や恋人の熱意に驚きました。
私なんかだと「医者が言うんだから、それが一番良いのだろう。」と鵜呑みにしてしまうかも。
どこまでも主人公を信じる姿に
この病気に限らず、痴呆症や躁鬱などで、もし家族の人格が変わってしまったら、私はそんな熱意を持って向き合うことが出来るだろうか?
自問させられる映画でもありました。