「時代背景は面白いが、分かりにくい人物設定」アトミック・ブロンド ジョニーデブさんの映画レビュー(感想・評価)
時代背景は面白いが、分かりにくい人物設定
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スパイのリストが敵に渡らないように奪い返そうとする話は、スパイ映画でよく出てくる話で、この映画もそのひとつであるが、二重、三重スパイの存在等、ストーリー展開をかなり複雑にして面白く仕立てている。一応はハッピーエンドのようで良かったのだが、余りにも複雑な内容で、また怪しい登場人物が多すぎて、一度見ただけではよく理解できなかった。
ベルリンの壁崩壊(1989年11月)前後が舞台となっていて、当時の車、服や踊りのファッションが実によく再現されていたのには感心した。特にバックに流れるネーナやデビッド・ボウイの曲がよくマッチしていた。実際、1970年代後半、デビッドボウイは,それまでアメリカでディスコミュージックに傾倒していたのに、突然ベルリンに音楽活動(レコーディング等)の拠点を移していた。また、1987年には、ベルリンの壁の西ベルリン側でコンサートを開催したりして、ベルリン市民にとっては人気の音楽家だったようだ。
映画は、好き嫌いが分かれると思うが、全編アクションシーン全開で迫力があった。特に主演のシャーリーズ・セロンは文字通り体当たり演技で(「モンスター」もかなりの体当たり演技だったな)、顔が本当に痛々しいほど生々しい。ただ、個人的にはこの映画やマッドマックスのような迫力のあるアクションよりも、静的アクション?の「イーオン・フラックス」や、お嬢様役、モデル風役の「スコルピオンの恋まじない」のほうが好きだ。
あと、彼女は父親が母親に殺されるという衝撃の過去を背負っているので、映画で活躍している姿を観るのは嬉しい限りだ。
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