「満身創痍アプローチが大成功」アトミック・ブロンド バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
満身創痍アプローチが大成功
セロン姐さんがタフな女スパイに扮して大活躍……というのは嘘ではないが、大活躍なんて言葉の響きとはだいぶ印象が違う。本作でアクションしまくっているのは本当だが、とにかく身体を痛めつけられ、傷だらけになり、青タンを作りまくり、それでもギリギリのところで戦うのが、本作でのセロン姐さんの覚悟なのだから。
傷だらけになって戦うアクションスターというのは過去にも大勢いて、ブルース・リー、ジャッキー・チェン、メル・ギブソン辺りにはそういうイメージが強い。『用心棒』の三船敏郎だってその系譜に入れられる。
ただ役の上でも女優としてもこれほど身体を張ったアクションヒロインがいただろうか? セロンはもちろん絶世の美女の一人だが、闘いが続くに従って彼女の美貌はどうでもよくなってしまう。ただただヘトヘトになり、心だけは折れずに攻撃の精度を高めていくその姿に、われわれはボクシングの試合のようなエールを送ってしまうのだ。
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