「何とも言えぬ居心地の悪さが素晴らしい」ゲット・アウト タブローさんの映画レビュー(感想・評価)
何とも言えぬ居心地の悪さが素晴らしい
周囲の人間が、明らかにおかしいのではなく、言語化するのが難しいが何かがおかしい、調子がずれている感じを描くのが上手い映画だと思った。監督の独自の感覚が味わえて楽しめる。
終始違和感しかない人たちに囲まれているが、主人公が友人と話しているときだけ普通の世界が広がり、観ているこちらもそこで救われる感じがするのが良い。
あの友人は観客を代弁しているとも考えられる。
例えば、ブラック企業に長年勤めていると感覚が麻痺してきて、異常なことも普通になってくる。そんなときに友達に会社の話をすると「それってヤバくない?」と言われ、そこで初めて自分の置かれた環境の異常さを実感する。
あの友人はその役割を果たしていて、とても良いキャラクターだった。
家政婦が笑いながら泣くシーンは、本当に違和感と不気味さしかなくて最高!
あ、ちなみにティーカップをスプーンでかき混ぜるシーンの音はすごく苦手だった。
何て言うの、あの黒板を引っ掻いたときに鳥肌が立つやつ。あの感じがして嫌い。
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