「人種差別がテーマ?」ゲット・アウト 猿田猿太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
人種差別がテーマ?
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人種差別の問題が話の根底なのかと思ったけど、よく考えたらそうでもない気がする。ターゲットが黒人ばかりなのかと思ったけど、肉体の強さを基準に絞ると黒人であった、それだけの話だろうか。終盤、彼女がPCで検索していたキーワードは別に「黒人」じゃなかったはず。
ただ、映画全体の雰囲気として、愛想はよくても、気にしてはいないだろうけど、それでもやっぱり、本音はぎちこなく、互いに意識し合い、実は嫌悪しているのではないか。そんな奇妙な差別意識の摩擦が映画全体の嫌な空気として漂っていたかのような。映画の真相とはまったく別の話だけれど、本音を隠した気持ち悪い笑顔という、共通した空気が映画の演出して形作っていた気がする。
それにしても差別意識はどうにもなくならないのでしょうね。国籍、人種だけで無くLGBTQといった増え続ける人間の区分け、どうしても判りやすく他者を区分けしようとして、見た目やなんかで相手を切り分けずにはいられない。そもそも差別以前に、相手を傷つけ、支配しようとする行いだけは慎まなければならないけれど、それが無くならないからこそ、こういう映画のネタが尽きることが無い訳で――いやまあ、現実に映画のようなことは有り得ないけど。ね? 有り得ませんよね?
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