「出だしはまずまず」MYTHICA ミシカ クエスト・フォー・ヒーローズ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
出だしはまずまず
アメリカの独立系製作会社、映画投資ファンドのArrowstorm Entertainmentが企画、製作。同社は主にSFやファンタジー分野の野心作の掘り起しを目指しているそうだ。
ディズニーをはじめ大手がひしめき合っている分野に弱小プロダクションが立ち向かうのだから応援はしたいものの無謀とも思える。最近の観客は目が肥えているので低予算ではVFXは難しいし、名のある役者も使えない、熱意と知恵だけでどこまで作れるのか・・。
クラウドファンディングも行ったが100万円くらいしか集まらなかった。一気に大作は無理なので小分けにしたようだ、本作はその序章。
物語は中世の魔女、と言うより魔法使いの卵の若い女性の冒険譚、大ヒットしているハリー・ポッターの女性版かと思ったが、怪獣酒場のような場末の酒場や心のダークサイド云々とむしろスターウォーズの世界観の方に近いかもしれない。主人公のマレクは薄幸の小間使い、おまけに足を患い、主人には鞭打たれ家畜以下の扱いと観客の同情を一身に集める設定にはやられます。
主人の目を盗んで訳ありの隠遁中の魔術師に手ほどきを受けているレベルだから使える魔法も心もとない、本領発揮、覚醒は続編でのお楽しみということでしょう。
まがりなりにも冒険物語だから助けてくれる仲間は必須、その辺のキャラ設定もまずまず、主人公が使う魔法の力は心のダークサイドからで巫女のティーラは傷を癒す聖なる力という闇と光の対比、コソ泥女たらしと正義の勇士という対比も教科書通りですね。同類作の良いところをパクルというか研究しているところが垣間見える、特に音楽(ナサニエル・ドリュー)はオーケストラを使ってパイレーツ・オブ・カリビアンもどきに盛り上げようとするので結構はまりました。
物語にはまだ先がありますので一作目では評価は拙速かも、まあ、諸般の事情を加味すれば頑張っている感のある作品でした。