赤毛のアンのレビュー・感想・評価
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これは映画じゃないよ。ドラマの総集編。
「赤毛のアン」(原題:L.M. Montgomery's Anne of Green Gables)。
ルーシー・モード・モンゴメリーの名作同名小説の劇場版映画ということにはなっているが。
映画冒頭のお決まりである制作会社ロゴがなく、いきなり始まり、本編が16対9アスペクトでびっくり。
それもそのはず、劇場映画というよりもテレビ映画の総集編だ。各話のつながりがかなり雑である(フェイドアウト)。自然光を使った撮影には好感が持てるものの、残念ながらHD画質なので劇場スクリーンサイズには耐えない。
この劇場上映は高視聴率だった、NHK朝の連続テレビ小説"花子とアン"(2014)にあやかったか。だとすると実にビジネスライクな公開だが、これで1,800円は厳しい。元コンテンツは、モンゴメリーの母国・カナダのテレビ局YTVによる全13話の連続ドラマである。
全13話を89分に凝縮しているので、原作の設定やあらすじをよく知っていないと、話の展開が忙しい。主人公アンのおしゃべりが魅力のすべてなので、その猛スピードの会話を楽しみたいが、ストーリー消化の大きな障害になるかもしれない。
先に短所を並べてしまったが、ストーリーを知っていれば話は別だ。
高畑勲と宮崎駿によるアニメ世界名作劇場「赤毛のアン」(1979)を知っている世代には、懐かしいエピソードばかりである。母国カナダの制作だけに原作への忠実度が高く、逆にテレビ版13話をオリジナルで観たくなる。
オーディションで選ばれたエラ・バレンタインの主人公アンは、実にしっくりとして可愛いし、名優マーティン・シーンがおじいさんマシュウ役というのも素晴らしい。強引なエピソード編集であるものの走馬灯のように駆け抜け、最後のオチに思わず泣ける。
本作の製作総指揮が、作者モンゴメリーの孫娘ケイト・マクドナルド・バトラーだというが、原作は20世紀初頭だぞ、いったい何歳だ!?
本作には、2月にテレビ放送されたばかりのシーズン2「Anne of Green Gables: The Good Stars」(2017)があり、そしてこれから放送予定のシーズン3「Anne of Green Gables: Fire & Dew」(2017)があると聞き、それが気になってくる、ああっ。
(2017/5/5/新宿バルト9/16対9ワイド/字幕:内海千広)
もっと観たかった
最初主人公がぱっとしないのかなと思ったが、動き出してみるとアンそのものだった。映画なので当然筋が端折られているのは仕方ないと思ったが、雰囲気は見事に伝えていたように思われた。それにしても突然終わった感があって、続きをもっと観たかった。続きはないのだろうか。
もっと観たくなるな
赤毛のアンを女の子の見るものと思ったら大間違い。アンの大地的な感覚と物怖じせず人を信用する瞳に心ワクワクしない人はいないだろう。いつもわ我々を引き付ける。今回のキャスティングも素晴らしかったのではないかな。60を越えた叔父さん評。原作読みなおそう!
アンの性格を現代風に変えたか?
吹き替え版で鑑賞。
赤毛のアンはアニメ放送で初めて見て好きになり、ミーガン・フォローズの映画『赤毛のアン』もすごく良くて、アンの魅力的なキャラクターが心に残っていた。何でもない普通の風景もアンの空想で膨らませるとおとぎ話の世界のように見えてしまう。そんなアンがとても可愛かった。でもこの性格って辛い孤児院生活の現実から、空想の中だけでも逃げ出そうと無意識に身についたものなんだろうな、そう考えるととても愛おしくなるね。
でも今作のアンは現代っ子風に少しアレンジしてないかな?なんか違和感があった。時代の変化に合わせて少し性格を変えたのかな?以前の作品のアンはもう少し大人に敬意を払っていたような気がするけど、今作のアンはなんか対等に近く振舞っている。時代的な背景やアンの立場を考えるとなんか違和感を覚えた。なんか今ひとつ、アンに感情移入出来なかったんだよね。だいぶ前に観たアンの思い出補正のせいかもしれない。もう一回、ミーガン・フォローズの赤毛のアンを観てみようと思う。
キャスティングが素晴らしい
皆さんご存知の話の内容については特に言うことはないのですが、一部演出と合成映像の使用箇所はもう少しなんとかならんものだったのか。さすがにあのレベルでは感情移入に支障をきたします。ひどい。
良い点は特にキャスティング!素晴らしい!この面々で続編、あるいはテレビシリーズを作ってくれないかと本気で思いました。演出も上記一部を除けば真っ当なもので安心してみられます。
しかし、こういったほのぼのと安心してみられる映画は久しぶり。いいですね、原作を見返したくなりました。
赤毛のアン!
十代の頃に文庫で読んでた赤毛のアンの世界がブワッと蘇りました。
優しいマシューとマリラ、それにアン役の子がめっちゃアンでした。かわいかった!
アンが名付けた場所も移りゆくカナダの風景も美しい。
気になったのはダイアナの家が田舎にしては金持ちすぎてびっくりしたのと、途中メイドさん居たんかいって突っ込みたくなったぐらい。
ドラマでもいいから小説のエピソードに沿って、この子が周りの人たちと関わりながら美しく育っていくのを見たいと思いました。
昔アンが好きだった女の子たちみんなに観てほしいです。
懐かしくて暖かい気持ちになりました。
小さなお友達への入門編
原作のイメージは人それぞれなので、「原作とイメージが違う。」なんて野暮なことは言いませんが
「せっかく原作の形で完成しているものを、わざわざ映画化するのだから、映画にしか出来ない表現で新たな魅力を伝えてほしい。」とは思っています。
『赤毛のアン』映画化と聞いて驚いたのは、1986年版の完成度が高かったので「今後、映画化は無いな。」と勝手にタカをくくっていたからでした。
とは言え、30年前の映像は、今の人達には古臭く映るでしょうし、そろそろ今の感覚に会った『赤毛のアン』を撮り直すってことなのかなぁ。
しかし!“原作者の孫娘が製作総指揮”だと知り、俄然鼻息が荒くなりました。
これは、モンゴメリーの真意に沿った完全版が出来あがるに違いない!( ̄^ ̄)=3
張り切って観た率直な印象は“完全版”ならぬ“改訂版”でした。
とくにラストのエピソードが(^_^;)
まあ、孫娘さんがこれで良いなら、良いのですが。
序盤からコミカル演出のNewマシュー像には驚かされましたが、キュートな面が増量されたと思えば、これはこれで魅力的な人物でした。
皆さん素晴らしい役者さんなので、心の機微は充分に伝わり感動できますが、全体的にライトテイストな印象でした。(←現代風?)
息を呑むほど美しいプリンスエドワード島の景色は素晴らしかったですが、後半はCG感が強く…確かに今の映像になっていました。
これって、もしかしてTVシリーズの総集編なの?と思うような繋ぎが数カ所あって、とても気になりましたが
そもそも尺も89分と短いですし、今回の映画のコンセプト自体が“総集編”なのかもしれませんね。
本屋の本に例えると
・原作の和訳の『赤毛のアン』
・子供向けに短く纏めた「少年少女名作全集」系の『赤毛のアン』
・近所の本屋のくるくる回る棚に入っているミニサイズ絵本の『赤毛のアン』
本作は言うなればミニサイズ絵本の『赤毛のアン』で、『赤毛のアン』を知らない小さいお友達に、この魅力的な少女に出会ってもらう入門編の映画なのかもしれません。
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