劇場公開日 2018年3月10日

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「脱走が得意な吉永小百合」北の桜守 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0脱走が得意な吉永小百合

2020年7月18日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 舞台劇の織り交ぜる潔さがいい。ケラリーノ・サンドロヴィッチの舞台演出は非常に冴えていて、実写パートを凌ぐ美しさを感じました。で、どうなんでしょう?この北海道ロケと編集の杜撰さは。満月の夜の桜の満開というテーマもあるのに、他は季節感がない・・・

 樺太については全く知識がないのでわかりません。たしか小学生の頃の地図帳には半分は日本領土となっていたのに、もうそんな色分けはされてないのですね。多分、1971年当時には渡航するのも難しかったのでしょうし、今後も気になる点です。

 そんな設定の中、樺太から網走へと移り、極貧状態でも健気に生きてきた江蓮たき(吉永小百合)。息子修二郎がアメリカから成功して帰国し、札幌にミネソタ24というチェーン店1号店を開く。母のことを聞き、網走へと迎えに行くのだが・・・

 とにかく逞しくて、周囲の人にも愛されて、生きている幸せさえあればいいと思っているてつという女性。札幌の修二郎に引き取られてからは生活習慣の違いから自分の居場所ではないことを悟り、逃げ出すのだ。

 各エピソードも断片的なため、あまりに繋がりがなく混乱してしまいそうになる。戦後混乱期の様子だけは見事で、特に白滝駅のシーンにおける列車の到着するVFXが素晴らしかった。多分、今は無い駅なのでしょうけど、鉄道ファンならロケ地巡礼したくなる場所だと想像できます。

 映像は輸送船のVFXを含めまぁまぁだったのですが、子役の演技とか、阿部寛の演技もださかった。そして最後の急展開も、急すぎる!満開の桜に酔いしれようとしてたのに・・・。とりあえず、北の三部作をようやく見終えてホッとした。

kossy