「一生面白い生き方を。」火花 くりさんの映画レビュー(感想・評価)
一生面白い生き方を。
10年間
夢を追いかけて走り抜けた
軌跡に何が残るのか。
才能を武器に
人生をかける人は凄いと思います。
画家、歌手、作曲家、芸人、彫刻家…
その圧倒的な才能に触れたとき、
五感が震え、凄く感動したり
満たされたり、幸せに感じたりします。
原作未読なので
そのドキュメントなんだろうと
思っていたのです。
本作を見たとき、
そういう芸を会得する苦労話を
表現したものではなく、
芸人の考え方はこういうものなんだと
いうのを表現した作品なんだと
途中で気づきました。
表情で示していた徳永と同じように
神谷の感覚に共感できませんでした。
自分が苦労して夢をみる話なら、
いいのですが、
周りもまきこんでるのに、芸人って
そういうものという当たり前な空気が
成人した大人の責任をフリーパスで
放棄しているように思えてしまう。
同棲してる真樹に対するエピソードの
扱い方が特にだめ。
・本人が納得してるから
・芸人の女はそういうもの
というのを、
彼女を美化して説いているのが
違和感がありました。
人を笑顔にする力は大切で、
その場にいる観衆の耳目を
魅了するのは誰もができない凄さで
あるのは知ってます。
切磋琢磨して、
人生の多くの時間を費やして
その力を磨く凄みは伝わったけど
それを支える側に対する作品感覚が
芸人目線でなにげにさめました。
という感想なんですが
そういうコメントがあまり
ないので
お互い納得してるからいいでしょ
という感覚の人の方が多くて
世間的には違和感ないんかも。
けれども、
人間味溢れる人と、酒をのんで
将来をかたって暮らすスタイルは
憧れましたし、
コンビの最終のステージシーンでは、
桜や花火などのノスタルジアを
感じました。
ぱっと広がって終わる。
日本人のDNAですね。
10年は長い人生の中では一瞬。
ちりぎわが美しいものに、
人は惹かれる。
エンディングソングの浅草キッド
で人生の儚さを
余韻としてもらいました。
くり様
今日は。
試写会の会場が音を聞き取りにくくて、初日にまた観ました。
お笑いに慣れてない私は1回目は理解できませんでしたが
2回目は細かなところまで堪能できました。
花火じゃなくて→火花
タイトルの意味が切なく胸に迫って来ました。
マキさんと神谷さん。
芸事を支える女性には私はなれそうにありません(^_^;)