「ほぼドキュメンタリー」火花 ニーチェさんの映画レビュー(感想・評価)
ほぼドキュメンタリー
あまりにリアルでした。流石は、芸人が書いた原作を芸人が監督した映画だと思います。
ただし、リアル過ぎて笑えないです。
僕も元芸人として、アルアルの連続でした。というか、アルアルしかありませんでした。
映画を観ていて「それはないわ」が、まったくなかったです。
公園で、ネタ合わせをしていて、周りは子供連れのお母さん達がいる。同じ人間が、同じ空間にいるのに、自分達が置かれている状況にとてつもない差がある。
「この生活に耐えれる自信がないねん」
まさにこのセリフに、売れる、売れない、辞める、辞めないの答えがある。
辞めていった芸人の大半が、漫才や、芸に負けたんではなく、生活に負けたのだと思います。
僕が辞めた理由も、これでした。
その後の人生で、確かにずっとモヤモヤしていました。違和感のある生活をしていました。
でも、最後の神谷の言葉で救われました。長年の霧が晴れました。清々しい気持ちで、仕事に励んでいます。
これから、芸人を目指す人、芸人を辞めた人には絶対に観て欲しい映画です。
只々、お笑いが好きで、エンターテイメントで観に行こうとされてる方は、気持ちを切り替えて観られた方がいいと思います。
コメントする
きりんさんのコメント
2019年5月3日
神谷の最後の言葉・・
本当にあの言葉はたくさんの無名の戦士をすくい上げますね。負け惜しみや言い訳じゃなくて本気でつながる引退なき世界!
又吉の原作の底力を感じました。
僕自身の小さな人生も失敗ではなくて世界をほんの少し動かす力になっているんだと、教えてもらった気がします。